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春のある日 31KB 虐待-凄惨 制裁 観察 悲劇 自滅 駆除 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 捕食種 都会 現代 観察物テイスト 「春のある日」 羽付きあき ・羽付きシリーズの人間とは別人です ・ふたば系ゆっくりいじめ 1079 花と雨と貝殻との続きになります ・善良なゆっくりがひどい目に会いますご注意を ・独自設定がいくつか入っています あのまりさつむり親子がいなくなってから結構な日が経った。 季節はすでに春にまで足を伸ばしているが、ゆっくりが住み着いたという事はなかった。 そもそも冬やそこらにホイホイと流れ着くこと自体珍しいそうだが、二回来たゆっくりは両方とも恐らくは「捨てゆっくり」であるため偶然が重なれば迷い込むことも十分にありうると知ったのはつい最近の事であった。 コーヒーを飲みながら窓越しに小さな庭に目を向けると、花壇で何かがモソモソと動いていた。 大きい丸いのが一つ、そしてテニスボールほどの丸いのが二つ・・・ 昼寝から明けて靄がかかった頭が急激に冴えわたった。驚いて窓を開けるとそこには。 「ゆ!ゆ!おちびちゃんたち!おぼうしさんにはなさんをつめてね!」 「ゆっくりわかったよ!」 「ゆゆ~・・・ゆっ!おはなさんがくささんごとぬけたよ!」 そこにはバスケットボール大ほどのまりさが一体。そしてテニスボールほどの子まりさが二体、私の庭の花壇の花を引きちぎり、底部で土を踏み荒らし、挙句の果てには根っこごと掘り返してグシャグシャにしていた。 街ゆっくりなら花壇をここまでめちゃくちゃになどしない。すればそれがどういう事になるか容易に想像が付くし、何より一部の街ゆっくりは「おうち宣言」を行うからだ。 窓を開けようとドタドタと走り寄った私に気付いたのか、まりさは子まりさ二体をひきつれてパンパンに膨れた帽子を舌で直しながら叫ぶ。 「ゆゆ!おちびちゃんたち!ゆっくりしないでにげるよ!」 「「ゆっくりわかったよ!」」 そして大きく体をつぶすとかなりの速さと高さを伴って飛び跳ねる。 私が窓を開けて頃にはすでに室外機を踏み台にして柵を飛び越えてどこかへ行ってしまった。 鈍重なゆっくりからは到底想像ができないスピードだ。 まりさ達が去っていった後、私は途方にくれながら庭を眺めた。 花壇の花々は花と草だけがむしり取られて茎が踏み折られてボッキリと斜めに傾いている。 茎が残っていればまだいい方だ。根元から根っこごと引き抜かれて根っこ近くの部分以外をむしり取ってそこらにほうり捨てられている。 当然根から引き抜かれたため土は穿り返され、グシャグシャになってしまった地面に折れた茎や花だけむしり取られた植物が無残に横たわっている。 「・・・山から下りてきたゆっくりか」 溜息をつきながらそうつぶやいた。 そう、春になると山から下りてきたゆっくり達がこの様に「豊富な食糧」を求めて花壇を食い荒らす事がよくある。 ・・・ゆっくりに「固有」と言う概念は薄い。 狩り場は共有するという山野のルールがあるからだそうだ。 だがそれはゆっくりに対して余りあるほどの豊富な山や森の恵みがあるから成り立つ事である。 「かざり」「おうち」等は自身のものと区別できるが、食料に関しては結構いい加減な所があるのだ。 少なくとも街ゆっくりはテリトリーを共有する事がないため、これに関しては単なる環境の違いと言うべきだろう。 そして山や森を抜けてくるゆっくりの種類は大方限られている。 私の想像ではあのまりさの番は・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・・・田畑の脇の用水路。 冬から春の少しの間は水位が下がっており、通常のゆっくりでも「ぼうし」や板切れを使えば簡単にわたる事が出来るほどに水位が下がってしまっている。 底が簡単に見えるので、2~3cm程の水位と言った所か。 さてその横には結構大きな導水管の穴があちこちに出来ており、「おうち」と言えば穴を掘るか洞窟の山野のゆっくり達にとって格好の住処ともなる。 3段程の階段があり、その脇には盛り上がって「岸」の様になった水底の上にそれなりの大きさの木の板がかかっている。 そこにつながる先は大きめの導水管。 そしてその中に居るのは、前述に登場したまりさ達の番である「ありす」だ。 導水管の少し奥に大きな葉っぱが3~4枚敷かれている。 その上にどっかりと座ったバスケットボール程のありすが一体。そしてその周りにはまだピンポン玉程の赤ありすが五体程小麦粉の皮を寄せ合って暮らしていた。 「みゃみゃ~、ありちゅもあたらしいおはなしゃんをちゅけちゃよ!」 五体の中では一番目に蔓から落ちた赤ありすが小さな花を飾りの脇につけてにっこりとほほ笑んでいる。 「きょれはぴかぴかひかっちぇちょっちぇもちょかいはにゃいししゃんぢゃわ!」 「きょにょひらちゃいいししゃんもぴかぴかにひかっちぇるわ!ちょかいはにぇ!」 二番目と三番目の赤ありす二対は恐らく山野からここまで来る道中で拾ったであろう「とかいはなたからもの」を見せ合っていかに「とかいは」であるか自慢をし合っている。 丸くて透明なビー玉と平たいガラスのおはじきが一番のお気に入りだ。 「みゃみゃ!しゅーりしゅーり!」 「ありちゅもみゃみゃにしゅーりしゅーりしゅるわ!しゅーりしゅーり!」 四番目と五番目の赤ありす二対はまだまだ甘えん坊でいつも親ありすにくっついて離れない。 それを見た親ありすは心底満足そうに笑顔を見せて 「ゆゆ!おちびちゃんたち!とってもゆっくりしてとかいはね!」といっている。 やがて聞き慣れた音を聞いたと思いきやいっせいにありす達が入り口のほうへと向いた。 その先には二体の子まりさがひょっこりと飛び出してきて、送れて大黒柱である親まりさがパンパンになった帽子を窮屈そうにとってこういった。 「ゆっくりただいま!ありす!」 「まま!ゆっくりただいま!」 「ゆゆ!きょうはおはなさんがいっぱいとれたよ!みんなでゆっくりたべようね!」 赤ありすたちが一斉に親まりさ達の元へと近寄る。 取り払った帽子の中にぎっしりと詰まれた花や柔らかくみずみずしい葉などを目をキラキラさせながら覗いていた。 「ゆゆ!おねえしゃんしゅごーい!」 「ちょっちぇもおいししょうぢぇちょかいはにぇ!」 「ありしゅおなかすいちゃよ…!おはなさんがちゃべちゃいわ!」 「「ゆぅ~!ちょっちぇもちょかいはにぇ!」」 口々に言葉を発しながらご飯のときを待っている。 それを見て親ありすが困ったような笑顔でこういった。 「ゆ!みんなでごはんさんをむ~しゃむ~しゃしないととはいはじゃないわ!いまからみんなでおさらさんにもりつけましょうね!」 「「「「ゆっきゅりわかっちゃよ!」」」」 そしてしばらくの間、親ありす達が小さな葉っぱのお皿に取ってきた花や葉を綺麗に盛り付けていく。 「とかいはなこーでぃねいと」を勉強中の赤ありすたちも重そうに花や葉を口にくわえて盛り付けの手伝いをしているようだ。 「ゆゆ!ここにはおなさんをこういうふうにかざるととってもとはいはなのよ!」 「ゆゆ~!みゃみゃはもにょしりぢゃね!」 「ありしゅもがんびゃりゅわ!ゆ!ゆ!」 親ありすを中心にせっせと動き回る赤ありすたちを見て子まりさ達とまりさは顔を見合わせて可笑しそう笑った。 「ゆふふ!おとーさん!まりさのいもうとたちはとっても"とかいは"でゆっくりしてるね!」 「がんばってね!おかーさんのおてつだいをするとゆっくりできるよ!」 「ゆ!ありすがもりつけるだけでもっとおいしそうでゆっくりしてみえるね!」 十分もするとそれぞれの葉っぱの上にはとかいは(?)に盛り付けられた草花がおいしそうに並んでいた。 「「「「「ゆっくりいただきます」」」」」 そういうと一斉に草や花をぱくりと食べるまりさ一家。 「「「「む~しゃむ~しゃ!しあわせー♪」」」」 瑞々しい葉っぱは親まりさと子まりさ達の大好物だ。む~しゃむ~しゃと咀嚼し幸せそうに声を上げる 対照にやわらかい花は親ありすと赤ありすたちの大好物だ。ぱくりと食べてはもそもそと口を動かして食べていく。 街に比較的近いこの場所で、まりさ一家は信じられないほどのゆっくりした生活を満喫していた。 みんなで揃ってのご飯が終わればその日は一日中みんなでおうたを歌ったりおどりを踊ったりしてすごしているが、今日は少し帰りが遅かった様子で、「お布団」の準備を始めている。 といっても先ほどに「お皿」となんら変わりない葉っぱの切れであったが、各々に口で運んでは下に敷いてその上にどっかりと底部をおろす。 「ゆ・・・!ゆ・・・!」 「ゆぅ~・・・おみょいわぁ・・・!」 「おちびちゃんたち!ゆっくりむりしないで!ありすがてつだうわ!」 四番目と五番目の赤ありすがもそもそと動いている。まだ上手に移動が出来ないため、てこずっている様だ。 何度もころりと転びながらも底部をぷりんぷりんと動かして一生懸命葉っぱを敷こうとする。 親ありすが手伝ってようやくしくことに成功し、その上にころりと転がった。 そして互いに今日あったことを眠りに付く少しの間だけにぎやかに話し合う。 「ゆゆ!きょうははねをおぼうしさんにつけたまりさをみかけたよ!とおくからみただけだけどとってもゆっくりしてたよ!」 「まりさもみたよ!にんげんさんとおはなししてたよ!」 「にんげんさんとなかよくしてるなんてとってもゆっくりしてるね!まりさもいつかあんなゆっくりになりたいよ!」 今日の話を親まりさ達がすると親ありすたちは興味心身に聞き取っている。 「ゆ!とりさんのはねをつけるなんてとかいはなこーでぃねいとをこころえてるまりさね!きっととってもとかいはでゆっくりしてるにちがいないわ!」 「ありしゅもあっちぇみちゃいわ!」 「ゆゆ!でもおきゃあしゃんのこーでぃねーちょのほうぎゃっすぎょいわ!」 「かじゃりのうえにかじゃりをちゅけりゅにょはちょかいはにょあかしにぇ!」 「ゆぴー・・・ゆぴー・・・」 「まりしゃもいちゅかおねーしゃんんみちゃいにおかじゃりしゃんをちゅけちゃいよ!」 ・・・日が暮れてあたりが暗くなってもまりさ一家の談笑は続いた。 導水管からは微かに楽しそうな声が漏れている・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 次の日・・・ 空はカラッと晴れ渡り、暖かい日差しと風が心地よく吹いていた。 導水管の入口に朝日が差し込んで着た頃、ご飯を終えた親まりさと子まりさ達が帽子をかぶり直して狩りの準備を整えている。 「きょうもおいしいごはんさんをいっぱいとってくるからね!ありす!」 「まりさもおとーさんにまけないようにがんばるよ!」 「いもうとたち!ゆっくりいってくるからね!」 そう言い残して元気よく外へと飛び跳ねる親まりさ達。今日も多くの食料をとってくるのだろう。 暫くするとありすは赤ありす達に向けてこういった。 「ゆ!きょうはてんきさんもぽかぽかだからおそとにでましょうね!」 「「「「「ゆゆ!おしょと!?」」」」」 赤ありす達の寒天の目がきらきらと輝いた。 この赤ありす達は山の風景も外の風景も知らない。 山からここまで降りて来た時はずっと親まりさの帽子の中に居たし、ここに引っ越してきてからも眺めるのは外の灰色の壁とそこから微かに見える青空だけであった。 なので外に出るのは実質今日が初めてだ。帽子や口の中に入っているのではない。「とかいは」な外の正解を見る事が出来るのだ。 そうときまれば禅は急げであった。 小さなお花を飾りの横につけ直したり、親ありすが使っている花の粉を使ってお化粧をしたりして準備をしている。 「ぱふぱふ・・・ちょかいはにゃかっこうをしなくっちゃ!」 「ありしゅ!おはなしゃんがまがっちぇるわ!」 「ゆゆ!ゆっきゅりありがちょう!」 「ありしゅもはなのこなさんでおけしょうしちゃいわ!」 「ゆ~ん・・・ありしゅにはまだはやいわにぇ・・・おはなしゃんがちょかいはよ!」 花の粉を小麦粉の皮につけたり、小さな花を飾りの横につけたり、「とかいはなひがさ」と称して葉っぱを頭に載せたりと様々な「とかいはなこーでぃねーと」を施している。 準備が終わる頃には少し背伸びした赤ありす達が、固まって互いの「こーでぃねーと」を讃えあっていた。 「おちびちゃんたち!ありすのあたまにのってね!」 舌で低調に赤ありすたちを頭に載せる親ありす。「やまいちばんのとかいは」と呼ばれたお洒落っぷりは伊達ではなく、花の粉や花の飾り、そして丁重に手入れされたサラサラの砂糖細工の髪はそこらの街ゆっくりとは天と地ほどの差があった。(飼いゆっくりと比べるとどうなのかはともかく) 外へ出て、階段を上がる。 「「「「「ゆわぁ~・・・ちょっちぇもちょかいはぢゃわ!」」」」」 「ゆふふ!おちびちゃんたちのほうがとかいはよ!」 ぽかぽかの太陽が降り注ぎ風が優しく撫でていた。 始めてみる外の景色に見とれる赤ありす達ピンク色の綺麗な花が木々に咲き、まるで雪の様にキラキラと落ちては流れていく。 あの花びらを飾りにすればどれだけ「とかいは」だろうか・・・そう思いながら青空を見渡す。 「おきゃあしゃん!あにおはにゃしゃんはちょっちぇもきれいぢぇちょかいはぢゃわ!」 「ありしゅありぇがほしいわ!」 「ありしゅも!」 「ちょかいはにゃちゃからもにょにしゅるわ!」 「ゆゆ!ちょっちょもきりぇいぢゃわ!」 口々に花の事をしゃべるのは流石は「やまいちばんのとかいは」である親ありすの子ゆっくりだ。 親ありすは頬笑みながら諭すようにこう言った。 「ゆゆ!そんなにあわてなくてもいっぱいあるわ!まずはぽかぽかさんにあたってとかいはなきぶんになってからおはなさんをあつめましょうね!」 舞う桜を見上げるありす達。街ゆっくりから見ればなんとまぁ呑気の光景だろうか。 (そうだわ!まりさのためにこのはっぱさんでとかいはなあくせさりーをつくればきっとよろこんでくれるわ!おちびちゃんたちのこーでぃねいとのれんしゅうにもなるし、とってもとかいはなあいでぃあだわ!) ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ 「ゆ!ゆ!おちびちゃんたち!ゆっくりついてきてね!」 「「ゆっくりわかったよ!ゆ!ゆ!」」 一方その頃親まりさと子まりさ達は春の日差しのもとをボヨンボヨンと幾度も飛び跳ねて移動している真っ最中であった。 昨日の所はもう当分何も生えてこないだろうからもっと別の場所に行く様だ。 山野のゆっくりにテリトリーの概念は薄く、そして何より(ゆっくりから見れば)それなりに遠くに見える「銀色の森」にはもっとゆっくりした食料があると思い込んでいた。 なんせ、近づくごとにとても四角い大きな山の下に色とりどりの花が勝手に生えているのだ。あの中心部にはもっとゆっくりとした場所があるに違いない。 赤ありす達が子ありす程に成長すればあの「銀色の森」まで引っ越しをしようと親まりさは思っていた。 ・・・親まりさ達は知らなかった。あの銀色の森の下では日々街ゆっくり達がゆっくりできない毎日を過ごしているという事を。 春の風から微かにありすの匂いを感じ取った。 厳密にいえばありすが「おけしょう」とやらに使っている花粉の匂いだ。 「ゆゆ!おちびちゃんたち!こっちだよ!」 親まりさが子まりさ達を誘導しながら跳ねていく。灰色の壁を飛び越えてその先には、今まで見た事のないような光景が広がっていた。 「「「ゆわあ~!」」」 そこには色とりどりの花に良いにおいのする草が所せましと咲き乱れ、そこに隠れる様にイチゴがたっぷりとみのっていた。 「おいしそうなおはなさんやくささんがいっぱいあるよ!」 「ゆゆ!おかあさんのおけしょうさんのはなもあるよ!とってもゆっくりしてるね!」 子まりさ達が一斉に感嘆の声を上げる。 それを見て親まりさが先陣を切って飛び跳ねると後ろを振り向いてこう言った。 「おちびちゃんたち!いっぱいおぼうしさんにつめてね!きょうはとってもゆっくりしたごはんさんになるよ!」 「「ゆっくり!ゆっくり!」」 子まりさ達が負けじと飛び跳ねる。 親まりさはそれを見ると手ごろな花に舌を伸ばした・・・その時であった。 「ゆ!?」 突如何かに砂糖細工のおさげを引っ張られたよな感覚が襲った。 すんでの所で舌は花に届かない。 次の瞬間。急に青空が視界に映ったかと思うとまた急に一瞬にして地面が見えた。 グシャッと音がする。 最初に見えたのは真っ暗闇だ。地面が壁になっている?そう感じた瞬間にパキパキと音がして砂糖細工の歯が砕けた。 「っいだいいいいいいいいい!!までぃざのおがおがああああああ!!」 口から餡子と砂糖細工の歯を飛ばしながら寒天の両目から砂糖水の涙を流して叫んだ。 「「おどおおおおおじゃああああああん!?」」 子まりさ達の声が聞こえる。 そしてぼやけた視界が鮮明になるとそこに映っていたのは、頭に金の丸い飾りをつけたれみりゃであった。 「れびりゃだああああ!おぢびぢゃんだぢ!ゆっぐりにげでええええええ!」 親まりさが叫ぶ。次の瞬間子まりさ達は元来た道を一直線に跳ねようと後ろを振り向いた。 だが結果的にンげられることはかなわなかった。 れみりゃは親まりさの砂糖細工のおさげをつかんだまま子まりさ達に向かって猛然と突き進んだのだ。 鈍重なれみりゃとは思えないほどのスピードで親まりさをひっつかんで走るれみりゃ。 いくら跳ねるのが早いと言っても所詮は子ゆっくり程度である子まりさ達とでは基本的なポテンシャルが違いすぎた。 「いだいいいいい!ばでぃざのおざげざんびっばらないでねえええええ!!」 何度も地面に当たっては小刻みに跳ねながら引っ張られる親まりさ。 れみりゃが腕を振り上げた途端にその視界が宙に浮いた。 グルンと周りが一周する。その先にあったのは 「ゆ!?ゆ”ん”や”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”びゅっ!!」 子まりさが振り返って、どんどん自分に向けて近づいてきた。そしてその声を最後に親まりさは目の前が真っ暗になる。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!?おねえぢゃああああああああああああん!?」 二番目の子まりさの声が聞こえる。 れみりゃが腕を離したのかふっと体が軽くなった。 「ゆ”!?ゆゆ!?おぢびぢゃん!?までぃざのがわいいおぢびぢゃんはっ!?」 辺りをキョロキョロと伺い、そして遂には泣き叫ぶ二番目の子まりさの向いている方向へと目を向けた。 そこは丁度、自分の真下。 「ゅ”・・・ゅ”・・・」 「おぢびぢゃんんんんんんんんんんん!?どぼじでえええええええええええええええええ!?」 そこには子むきこの皮の半分以上が潰れ、餡子をぶちまけて潰れ饅頭となっている子まりさがいた。 微かに動いているが潰れ饅頭になるのは時間の問題だ。 親まりさはなぜこうなったのかを理解できていないようだ。 何のことは無い。れみりゃが親まりさのおさげを掴んで逃げる一番目の子れいむに向けて振り下ろしたというだけの話である。 「おぢびぢゃん!おぼうじざんだよ!?おぢびぢゃん!?」 親まりさが潰れて動かなくなった子まりさの帽子を舌で指し示して叫ぶ。 この帽子を肌身離さず大事にしていた一番目の子まりさなら、取り返そうと動くはずだからだ。 当然のごとく反応が無く、あたりには唯叫ぶ親まりさの声がこだましているだけであった。 「おぢびぢゃん!おぼうじざんをおどーざんがどっぢゃうよ!?ぼら!ぼら!だがらゆっぐりどりがえじでね!ゆっぐり!ゆっぐりいいいっ!」 叫ぶ親まりさの目の前で帽子がぐしゃっと潰れた。れみりゃが帽子を踏みつけたのだ。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!おぼうじざんにいじわるじないでえええええええ!」 親まりさが泣き叫びながら哀願するが、れみりゃはただ無表情に帽子をグシャグシャに踏みにじる。 子まりさがあれだけ形を気にして常日頃の手入れを怠らなかった「ゆっくりとしたおぼうしさん」はあっという間に泥まみれで形も崩れたグシャグシャの布切れになってしまったのだ。 「おぢびぢゃんのゆっぐりじだおぼうじざんがあああああああああっゆぶごぉっ!?」 親まりさがたてにゴロゴロと転がって横たわる。れみりゃが蹴り上げたのだ。 れみりゃは次におそろしーしーを花にぶちまけてカタカタと震えている二番目の子まりさに目を向けた。 子まりさの足早に歩み寄っていく。 「ゆ”・・・!ゆ”・・・!」 寒天の両目から砂糖水がダバダバと流れた、砂糖細工の歯がカチカチとなり、水あめの脂汗が小麦粉の皮から噴出す。 れみりゃが手を伸ばしておさげを引っつかむとぐいっと子まりさを持ち上げた。 「ゆんやああああああ!おどおおおおおじゃあああああん!だづげでえええええええええええええええええええ!!」 子まりさがぐーねぐーねしながら動き、親まりさに助けを求めるが親まりさは地面に突っ伏し、「おぢびぢゃん・・・おぢびぢゃん・・・」とつぶやくだけで一向に動かない。 れみりゃが手を上げておさげをぶんぶんと振り回す。ミチミチと音を立てて砂糖細工のおさげを中心にぐるぐると回転を始める子まりさ 「いだいいいいいいいい!ばりざのおざげざんんんんんんんっ!いだいいいいいいいい!いだいいいいいいいいいいっ!」 「うー!」 れみりゃが声を上げて手を振り下ろした。遠心力で帽子は吹っ飛び、そのまま地面に向けて真っ逆さまに落ちる子まりさ。 「ゆびゅっ!」 グシャという音がして落ちたと同時に小麦粉の皮がへこみ、上にバウンドをした。 れみりゃが砂糖細工の髪を掴んで引き立て、子まりさの顔を覗き込む。 「ゆびゅふぅぅ・・・・ゆびゅぶふぅぅ・・・」 寒天の両目が飛び出し、小麦粉の皮の口腔に砂糖細工の歯が突き刺さって餡子が口の周りにびっちりと付いている。 れみりゃはそれを見ると小麦粉の皮の底部から手を差し込んで持ち上げた。 ゆっくりのあにゃるに両手をかけると一気に広げるようにこじ開ける。 「っゆぎぃいいぃぃいいぃっぃいいぃぃぃ!!ゆぎょおおおおおおおっ!?」 ミチミチと音を立てて穴が縦に裂けていく。 子まりさは上側の小麦粉の体をきめぇ丸のごとく左右に振りながら、あらん限り口をあけて泣き叫んだ。 「ううううーっ!」 れみりゃが叫んで一気にこじ開ける。 音を立てて縦に裂けた小麦粉の皮から餡子がドバッと餡子が流れ込んだ。 「ゆぎっ・・・!ゅ”っ・・・!ゅ”ぎっ・・・!」 口をパクパクとさせていた子まりさだったが、餡子が流れていくと同時にやがて裂け饅頭と化してしまった れみりゃは子まりさだったゆっくりを投げ捨てると突っ伏したままの親まりさを引っ張りあげる。 「ゆ”・・・!どぼじで・・・ごんなごどずるのぉぉ・・・?」 「かってにれみりゃのかいぬしのこーまかんをあらしたからだど」 れみりゃの手が上に上がる。 その瞬間、親まりさの顔が凍りついた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「「「「「おきゃあしゃん!ゆっきゅりできちゃよ!」」」」」 赤ありす達が固まって誇らしげに何かを見せる。 それは桜の花びらや他の花で編み込んだ冠であった。 「ゆゆ!おちびちゃんたち!すごいとかいはねできね!まりさもきっとよろこんでくれるわ!」 そう、これは親まりさの為の「とかいはなあくせさりー」 とかいはなゆっくりになるための練習も兼ねて赤ありす達が一生懸命作ったのだ。 さて、そろそろ親まりさ達も狩りから戻るだろうし、一端「おうち」に戻ってびっくりさせてあげようと思ったその時であった。 丸い影が向こうからやってきたのだ。 「ゆゆ!?」 親ありすは首をかしげた。よく見えないがトンガリ帽子がないし、子まりさの様な影も見当たらない。 だが少しづつ近づいてくるにつれて、姿が見えてきた。 完全な姿を見た時、ありすが叫んだ。 「ゆうううううううう!?なんなのあれええええええええ!?」 親ありすが目にしたものそれは・・・ゆっくりであった。 何種かも判別できない。小麦粉の皮は全体がまんべんなく真っ黒でパサパサになっており、飾りどころか砂糖細工の髪もなかった。 砂糖細工の歯もすべてなくなっており、口だけがぽっかりと空いている。 そんな丸っこい何かがずーりずーりと近づいてきたのだ 「おちびちゃんたち!ありすのうしろにかくれるのよ!」 ありすが大声で叫ぶ。ただならぬ気配を感じた赤ありす達は不安そうに急いでありすの後部へと跳ねて行った。 「ぷくぅーっ!」 ありすは口をつぐんで大きく空気を入れ膨らんで丸っこい何かに威嚇を開始する。 丸っこい何かが何かを呟きながらこちらに向かってきた。 「ゅ・・・ぁ…り・・・す・・・ゅ”・・・ぐ・・・」 聞き覚えのあるその声、絹の擦れるようなか細い声を確かにありすは聞いた 「・・・ま、まりさ?まりさなの!?」 ありすが問いただすと 「ゅ・・・あ・・・り・・・す・・・ご・・・べん・・・ね・・・ご・・・べ・・・ん・・・・・・ね」 と再び帰ってきた。 「までぃざああああああああああああああああああああああああああああああ!?」 ありすが声を上げた。親まりさの変わり果てた姿に驚きそして声をあげて悲しんでいる。 モチモチだったあの小麦粉の皮は真っ黒になっており、パサパサと触れれば崩れてしまいそうな程に水分が無くなっていた。 「あ・・・り・・・ゆぶっ!ゆぐぶぶぶぼぼぼぼぼぉぉぉおおおぉぉぉおおおおおおぶぇげえええええええええええええええええええええ!!!」 「までぃざあああああああああああああ!?」 突如親まりさの小麦粉の皮がグネグネと動き始めた。 通常ゆっくりが小麦粉の皮の内部にある餡子を動かす時は何らかのアクションを起こす時だ。 その場を動かずに小麦粉の皮だけを動かす。これはつまり「のーびのーび」なのだろうが親まりさのそれは違った。 縦だけではない。まるで何か、そう「何かが内側で暴れている」様な動き方だ。 親まりさも餡子を吐き出しながら寒天の両目を見開いてぐーねぐーねしながらこーろこーろして地面を転がりまわっている。 「ゆっぎいいいいいいいいいいいいい!!ぶげぇっぇぇえええええええええおぼごおおおおおおおおおおおおおおお!?」 「までぃざああああ!どがいばっ!どがいばあああああああっ!」 ありすの呼びかけに対しても答えず餡子をどんどんと吐きだす親まりさ。 やがて小麦粉の皮が伸びたかと思うと丸く「千切れた」 外からではない。内側から何かに噛み切られた様だ。 「ゆびょおおおおおおぼぎゅげえええええええええがががっががががががああああああああおぎょおおおおおおお!!」 「どがいばっ!どがいばっ!までぃざっ!どがいばっ!」 ミチミチと小麦粉の皮を食い破り親まりさの四方八方から現れたのは赤ゆっくりほどの「ゆっくりりぐる」であった。 それも、一体や二体ではない。どんどんと親まりさの餡子を、小麦粉の皮を食い破って出てきている。 ざっと数えるだけでも20~30体ほどのりぐるが一斉に現れたのだ。 「ゆ”・・・!ゆ”・・・!」 親まりさは穴だらけになりながら体を潰して倒れ伏した。 既に流れる餡子も殆どなく、辺りにはりぐるが跳ねまわった後に就いた餡子の跡しかなかった。 「どがいばああああああああ!までぃざああああああああ!あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」 寒天の両目から涙を流し叫ぶありす。 山一番の勇気あるゆっくりと讃えられた親まりさの現在の姿に対してなのか、番であるゆっくりを失った悲しみであるかは定かではない だがありすに余裕などなかった。今度は後ろで悲鳴が聞こえたからだ。 「「「「「ゆんやああああああ!だぢゅげぢぇええええええええ!」」」」」 「ゆゆ!?」 ありすが振り返るとそこには、大量のりぐるに囲まれ小麦粉の皮をくっつけて震えている赤ありす達であった。 赤りぐる達は隙をうかがいながら取り囲んで今にも飛びかかってきそうな気配さえ感じられる。 ありすが飛びかかろうとしたその時、赤りぐるの群れが一斉に赤ありす達に群がった。 「おぢびぢゃんんんんんんんんん!ごのいながぼのっ!ばやぐどぎなざいいいいいいい!!」 ありすが跳ねて近づくと波が引いた様に下がる赤りぐる達。 ありすは赤ありす達をかばう様に前に連れてきた。いったん集めて口の中に入れるというわけだ。 「おぢびぢゃんだいじょう・・・ゆうううううう!?」 ありすが声を上げた。そう目の前には五体居たはずの赤ありすはたったの2体しかいない。 それも4番目の赤ありすと5番目の赤ありすだけ。ありすは周りを見渡した。そこで信じられない光景を目にする。 「いぢゃいいいいいいい!ゆびぃっ!ゆ!ありぢゅのぐりーむじゃんぢょらないぢぇええええゆびっ!」 三番目の赤ありすが一斉に数体の赤りぐる達にかわるがわる小麦粉の皮を食いちぎられていた。 上部左側、底部の右側を食いちぎられ、グネグネと動くたびにカスタードクリームがボトボトと落ちて赤りぐる達がせっせと口に運んでいる。 「びっばらないぢぇえええええ!ゆぎぃぃぃ・・・!ゆびっ!ゆびぃっ!ぢょがいばっ!ぢょがいばぁぁぁっ!」 二番目の赤ありすは三体の赤りぐる達に一斉に噛まれてぐいぐいと三方向に引っ張られている。 小麦粉の皮の形が変わり、ミチミチと音を立てる度に何度もに「とかいは」と叫んでいる。 「ぷきゅーっ!いにゃかもにょはちゃっちゃちょどきにゃしゃい!ありしゅおきょるわよ!?・・・ゆ!?ゆ”ぎっ!ゆびゃああああ!!いぢゃいいいいいいい!おぎゃあじゃああああん!ぢょがいばっ!ぢょがいばっ!ぢょがいばあああああ・・・っ!」 一番目の赤ありすは果敢にも威嚇を繰り返していたものの、あっという間に複数の赤りぐるに同時に小麦粉の皮を食いちぎられ、そのまま赤りぐるが群がり、声が掻き消えている。 「おぢびぢゃん!いばだずげるわっ!ゆゆ!?」 ありすは赤りぐる達の中に飛び込もうとしたが躊躇した。 りぐるだから怖気づいたわけではない。 口の中に残った赤ありす二体を入れる間に残りの赤ありす達は食べられてしまうだろう。 だが今あの中に飛び込んだとしても残った赤ありす二体を別の赤りぐるが虎視眈々と狙っているのだ。あっという間に引きずりこまれてしまう。 ありすは悩んだ。既に小麦粉の皮を半分以上持って行かれた赤ありす達は助からない。 ならば・・・ 「ゆぅぅ・・・ぷくぅぅぅうううううーーーーっ!!」 大きく膨れて残った四番目と五番目の赤ありす達を守るために威嚇を始める。 つまりそれは残りの赤ありす達を見捨てたに等しい行動であった。 (おちびちゃんたち・・・ごめんなさい・・・!でもありすはのこったおちびちゃんをまもるわ!) 「おぎゃあじゃん!おねえぢゃんぢゃぢいぢゃがっぢぇるわ!ゆっぎゅりだぢゅげぢぇあげぢぇ!」 「そうぢゃわ!おにぇがい!」 残った赤ありす達がありすに叫ぶ。だがありすは何も答えない。 口に入れる隙も与えない赤りぐる達の視線にありすは唯何も言わず膨れる事しかできなかった。 既に三番目の子ありすはその飾りと地面に落ちたほんの少しのカスタードクリームしか残っていなかった。 二番目の赤ありすも三方向に千切られてからは一斉に赤りぐる達が群がり飾り以外残っていない。 一番目の赤ありすは未だりぐるの群れの中で微かに声が聞こえていた。 「・・・ぢょがいばっ・・・!ぢょが・・・ゆぎぃっ!ぢょが・・・ぢょ・・・!」 しかしその声もあっという間に聞こえなくなり、赤りぐる達が引いた頃には飾りの一欠けらしか残っていなかった。 赤りぐる達は暫くありすとにらみ合いを続けたが、膨れ続けるありすを見て、やがて諦めて四方八方に蜘蛛の子を散らす様に去っていった。 「あでぃぃぃずのおおおおおぢびぢゃああああああああんがあああああああああ!!ごんなのおおおおおおおおどがああああああああああいばじゃあああああああああなああああああああああああああいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「ゆびぇえええええん!おねえぢゃあああああああああん!」 「ゆんやあああああああああああ!ぢょがいばじゃにゃいいいいいいいいいい!」 泣き叫ぶありすと子ありす達。 帰ったら親まりさにプレゼントするはずだった「とかいはなあくせさりー」は赤りぐるたちに食べつくされ芯の丸く束ねた茎しか残っていない。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ 暫く立った頃、ありす達は親まりさが貯め込んだ食料で暫く「おうち」のなかでいた。 そして無くなったので取りに行ったのだが、「狩り」など一回もした事のないありす達がそう簡単に食料がとれるほど甘くはなかった。 くたくたになって戻ってきた時、おうちから「ゴォォ」と言う音がするので急いで跳ねて行ってみると・・・ 「どぼぢでおうぢざんがらみずがながれでるのおおおおおおおおおおおおお!?」 「「ゆびゃあああああああああ!?なんぢぇええええええええええ!?」」 そう、季節はすでに春。冬の間は休耕していた田畑も水を入れたりする時がやってきた。 冬の間は確かに水位が下がってゆっくりにとっては格好に「おうち」になるのかもしれない。だがそれは冬までの話。 あっという間にありす達の全てが水に流された「とかいはなべっど」「とかいはないし」「とかいはなおさら」・・・数え切ればきりがない膨大な「こーでぃねいと」した物が水に流れて行ってしまったのだ。 ある意味運がいいかもしれない。おうちの中に入っていればそれこそ排泄物を水洗トイレで流すがごとくありす達は流されていたのだから・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あのまりさ達が現れて今日から一週間ほどが経った・・・ 何とか荒らされた花壇の片付けも終わり、花の種などを買い込んだ帰りのことだった。 家の前に何か丸っこい物が塀際に落ちている。 何だろうと思ってスクーターから降りて近づいてみると・・・ 「うおっ!?」 私はあまりの光景に驚いた。 そう、それは「ゆっくり」である。 微かに見える髪飾りから恐らく「ありす種」と判断できるのだが・・・問題はそこじゃなかった。 脇に二つほど丸っこいピンポン玉程度の赤ありすらしきものが転がっている。 そして、その姿は汚いを通り越していた。 親ありすは飾りが色すらくすむほどに黄土色の泥がついており、解れているどころか右半分が崩壊している。 砂糖細工の髪は油粘土の様な感触で解れた枝毛やら何やらが時折ピンと出てしまっている。 巻き付くどころかくっつく様に枯葉やほこり、何かの切れや挙句の果てにガムが頭頂部を中心にビッシリとこびりついており、冠の様になっていた。 小麦粉の皮は生傷だらけどころの騒ぎでなく、色がススや泥でくすんで鼠色に近いほどになってしまっている。 底部は鏡餅の様にガチガチでひび割れており、日々の間に枝や枯葉のきれを挟んでいて底部を上に向ける度にそれが見える。 砂糖水の涙を流した場所は寒天の両目から下にかけてナメクジが張った後に様にキラキラと光ったまま乾いており、それが一層不気味さを増していた。 口のまわりも例外でなく、白く乾いた砂糖水の涎がこびりついており、灰色っぽい色の中にぽっかりと白い何かが塗しつけられる様に現れていた。 寒天の両目の周りには砂糖水が結晶化した「目糞」がビッチリとこびりついており、親ありすが目を見開くたびに粉を吹く様に白い何かが舞っている。 口を開ければ歯茎をむき出しにしてそこからのぞく砂糖細工の歯は白茶色を通り越して完全に枯葉の様な色にまで変色していた。 口を閉じる度に「ジャリ、ジャリ」と音が聞こえる。これは砂だらけの草だけを食べていた上に、水もあまり飲まなかったせいでいつまでも口の中まで砂が残っているのだ。 時折のぞかせるあにゃるは餡子が乾燥して周りにこびり付いており、ひと際アクセントとして目立っていた。 赤ありす二体も同様だ。親ありすと比べてましではあるが汚い事に変わりはない。何より驚いたのは・・・ 「ゆひゅー・・・ゆひゅー・・・おながずいだわぁぁ・・・」 なんとこのありす。まだゆっくりとしての機能を失っていなかった。 時折グネグネと動いては薄く濁り始めた寒天の両目をぼんやりとどこかに中空に見据えている。 赤ありす二体の方はよくわからない。 一体は小麦粉の皮がパサパサに乾いて口をあんぐりと開けたまま乾き饅頭となってしまっていたが、もういったの方は地面に突っ伏していたため確認はできなかった。 私が気味悪がって足早に去ろうとした時、足音に気付いたのか、突如親ありすがグネグネと激しく動いて赤ありす二体の砂糖細工の髪を口でくわえて持ち上げるとどこかへとずーりずーりを始めた。 「おぢびぢゃんだぢ・・・!にんげんざんだわ・・!どがいばじゃないがらにげるわよ・・・!」 バスケットボール程の異臭を放つ何かがグネグネと動いてどこかへと行ってしまうのだ。後姿だけでも夢に出てきそうな光景であった。 「なんだ・・・なんで俺の家だけにゆっくりがあつまるんだ・・・?」 独り言のようにつぶやくが当然答えは返って来ない。私はそのまま足早にスクーターを押して家へと帰って行った。 どの道今日の夜から明け方まで雨が降るのだ。どこかへ行ってしまうかそのまま溶けてしまうだろう。 ありすらしきゆっくりは既にかなり遠いところまでグネグネと動いていってしまっていた・・・ ・・・それからあのありす達を見かけてはいない。何処へ行ったのかは全くわからなかった。 あの風貌から察するに街の中心部にいた街ゆっくりか何かだろうか。それとも山野からここに下ってくるありす種が「とかいは」と言う言葉にひかれて街の中心部に行って弾き出されてきたのか今となっては定かではない。 あのありすがいた塀の壁には薄くうんうん(餡子)の跡がまるで無機質な灰色の塀のアクセントの様に広がっていた。 挿絵 by嘆きあき 過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 504 かりすま☆ふぁいたー ふたば系ゆっくりいじめ 516 サバイバル・ウィンター ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ ふたば系ゆっくりいじめ 582 ビルディング・フォレスト ふたば系ゆっくりいじめ 587 バトル・プレイス ふたば系ゆっくりいじめ 592 コールド・ソング ふたば系ゆっくりいじめ 604 ロンリー・ラック ふたば系ゆっくりいじめ 625 ループ・プレイス ふたば系ゆっくりいじめ 632 フェザー・メモリー(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 643 フェザー・メモリー(後編) ふたば系ゆっくりいじめ 690 ウィンター・ブルース ふたば系ゆっくりいじめ 706 シティ・エレジー ふたば系ゆっくりいじめ 1051 街を跳ねるもの達 ふたば系ゆっくりいじめ 1052 UNDER ふたば系ゆっくりいじめ 1069 CLOUDY ふたば系ゆっくりいじめ 1070 静寂な高音 ふたば系ゆっくりいじめ 1079 花と雨と貝殻と ふたば系ゆっくりいじめ 1238 風の流れる街 羽付きあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 善良なゆっくりは酷い目にあってないじゃないか -- 2014-03-11 01 56 38 ゆっくりによる花壇荒らしは本当に不愉快な気分になるな それだけに一家そろって惨たらしい目にあったのはゆっくりできる -- 2013-11-03 03 17 28 狩りもしないありすざまぁww 男の人もゆっくりが集まって大変だな。 こういうのが多いとゆっくり対策グッズが売れそうだ -- 2011-01-13 12 34 44 幸せそうなゆっくりはぐちゃぐちゃに生き地獄を味あわせたいな。 -- 2010-09-18 12 29 10 こういう自業自得の自滅はすっきりできるな。 -- 2010-09-04 13 43 06 イラストの赤ゆ共目玉くりぬいて歯をへし折たいな。 -- 2010-09-04 10 52 25 ざまぁ こういう身の丈以上の夢を持つバカの自滅はゲスへの制裁と同じくらい好きだ -- 2010-08-09 07 07 55 イラスト見て思うんだがなんで幸せそうなゆっくりってものすごくムカつくっつーかいらつくのかな。ゆっくりなんてのはいつ何時でもあわれな泣き顔さらしてりゃいいんだよ。 -- 2010-08-03 23 25 32 この羽付きシリーズ面白すぎだろ、、 俺が現代、元飼いゆ設定大好きなのもあるけど。 堕ちる姿っていいね -- 2010-07-24 16 33 58 とりあえず誤字がひどすぎる -- 2010-07-21 13 04 09 飼い主の人の家だろ、たぶん -- 2010-07-13 21 16 14 ・・・・れみりゃが襲った理由のこーまかんって誰の家?? -- 2010-07-04 22 04 59
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すーりすーりっ!したりするよっ! 4KB 虐待-普通 小ネタ 理不尽 駆除 野良ゆ 現代 短いお話 道路を歩いていると、野良ゆっくりが目の前に現れた! 「れいむは、かわいそうなしんぐるまざーなんだよ! あまあまをちょうだいね! たくさんでいいよっ!」 「ちょうだいにぇっ!」 大きなれいむと小汚い赤れいむが騒いでいる。 「ゆ? れいむがかわいすぎるから、こえもでないんだねっ! かわいくてごめんねっ! ゆんゆゆーん!」 「れぇいみゅも、きゃわいくてごめんねぇ~っ!」 俺はれいむを両手で挟んだ。 「やめてね? おさわりはげんきんだよ! きたないてで、れいむにふれないでねっ!」 そのまま空高く持ち上げる。 れいむは、『お空を飛んでるみたい!』などと嬉しそうにはしゃいでいる。 俺はくるりとれいむを逆さまにして、見たくもないケツを視界に入れた。 予想通りに真っ黒なあにゃると汚いまむまむだ。 これで可愛いとか笑わせるぜ。 「ゆーん! おにいさんはへんたいさんなの!? れいむのあにゃるをじっとみながら、にやにやしないでねっ!」 ケツが左右にプリプリと揺れた。 俺から逃れようとする行動すらも挑発に思えてくる。 「あまあまをもってきてくれたら、きすしてもいいよ! かわいいれいむにかんしゃしてねっ!?」 「食らえ」 「ごぼおおおおおおおおっ゛!?」 れいむは地面とキスをした。 顔面を下に向けてケツは天を突き出した素晴らしい格好だ。 まさに一輪挿し状態。 ちょっとかっこいい。 「はーい。すーりすり」 「ゆぶっ? ぶおぉおおおおおおおおっ゛!」 俺は掴んだ両手を左右に動かした。 " ジャーッ!" と、良い音が周囲に響いて心地よい。 こういう、『可愛くてゴメンね?』などと言う馬鹿は、 頭からあんよの下まで素晴らしいと意味不明な自信を持っているのだ。 妙な自信を砕く方法は簡単だ。 体の一部を削って欠損を作ってやればいい。 お飾りでも髪の毛でも構わない。 自分の体はゆっくり出来なくなったと思わせればよいのだ。 「いやー。たっのしー!」 「ゆぼぼぼぼっ゛! ばぼぁあああああああああっ゛!?」 俺の最近のマイブームは、顔面擦りおろし。 手のひらに伝わる振動がたまらないっ! 必死にもがいて上下左右に激しく揺れ動くれいむのおケツ。 この時は何故かいとおしく感じるから不思議だ。 思いっきりスパンキングしてやりたい衝動にかられるぜ! 「すーりすりっ! すー…あれ?……あー、またやっちまったか」 ただ、俺はこの方法で成功したことが無い。 とても楽しいので途中で辞める機会を失ってしまうのだ。 「これは、もう駄目だな」 「みゃみゃっ!?」 赤れいむが地面に生えたような形をしたれいむに近寄ってくる。 そのお顔は涙でベショべショだった。 今まで騒いでいたんだろうけど、全然気がつかなかった。 「じめんさんにうみゃっていたら、ゆっくちできにゃくなっちゃうよっ!? ゆっくちせずに、でてきねにぇっ!」 「あー、もう無理だって。死んでるよ」 「にゃんで、しょんなこというにょおおおおおっ゛!? みゃみゃがちぬわけ、ないでしょおおおおおおおっ゛!」 「いやいや。本当だってばさ」 俺は爪先をれいむのケツの上に乗せた。 そして、そのまま手前に倒す。 既に三分の二以下になっていたれいむの半身が地面に横になる。 赤れいむの目の前に晒されたのは、荒いヤスリで乱暴に削られたような断面部分。 「ゆっ゛!?」 「な? 死んでるだろ。ちょっとやり過ぎちゃったよ」 赤れいむの思い描いていた親の素敵な笑顔は既に無い。 視界に広がるのは真っ黒でグズグズになっている平面のみ。 赤れいむは、込み上げてくる吐き気を抑えきれずに、吐射物を道路へとぶちまけた。 「あー、駄目だなー俺は。せっかく虐待してくれって姿を現したのに…」 俺は非難の目線を向けてくる赤れいむを踏み潰した。 どうせ吐きまくって弱りきったこいつは直ぐに死ぬだろう。 せめて、俺の足裏であの世に送ってやろうな。 「次はキリの良い所で抑える! そう、次こそは!」 俺はニチャニチャの足裏を親れいむのリボンで擦りながら宣言する。 でも、たぶんそれは無理だと頭の何処かで思っていた。 どうやら俺は、悲鳴を聞くより地面で擦りおろす方が好きらしい。 毎度毎度、壊れるまでやってしまうのだ。 俺の周囲に描かれているのは、親れいむの餡子で染められた漆黒の丸い円。 これを見下ろしながらふと思っちゃったんだよ。 『次は、もっと黒くしたいな』とかね。 ははは。 うん、こりゃ重症だ。 次も悲痛を交えた会話は出来そうにも無いっ! ・地面ですーりすーりするお話 短い小話がブームらしいので乗っかってみた ・暴露も交えて全部の過去作品を記載 正直な所、胸のしこりが無くなった気がする 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 880 長の役割 ふたば系ゆっくりいじめ 859 ほりはり ふたば系ゆっくりいじめ 814 ばうんてぃはんたー 希少種狩り ふたば系ゆっくりいじめ 802 我らっ!すっきりーっ!を熱く語る ふたば系ゆっくりいじめ 779 そうだ、駆除しよう ふたば系ゆっくりいじめ 764 たまたま ふたば系ゆっくりいじめ 752 おらべならい ふたば系ゆっくりいじめ 742 お呼び出し ふたば系ゆっくりいじめ 718 完全予約制 ふたば系ゆっくりいじめ 710 基本種 ふんどしれいむの復讐 ふたば系ゆっくりいじめ 683 あんらっき~を乗り越えて ふたば系ゆっくりいじめ 665 基本種 れいむの受難 ふたば系ゆっくりいじめ 638 ばうんてぃはんたー ふたば系ゆっくりいじめ 612 かってにはえてくる ふたば系ゆっくりいじめ 593 迷作劇場 ふたば系ゆっくりいじめ 572 ぎゃんぶらー ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心 ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ? ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2 ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5 ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値 ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語 ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償 ふたば系ゆっくりいじめ 321 うんうんっ!だけがでるよっ! ふたば系ゆっくりいじめ 295 秋の風物詩 ふたば系ゆっくりいじめ 281 げすとよばれるもの ふたば系ゆっくりいじめ 275 むーしゃむーしゃ!したりするよっ! nue033 大きな子供 nue026 完全予約制 nue011 ゆーえすびー ・これからは暴露あきと名乗らせていただきます トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 案外新しいネタのような。 -- 2012-09-13 13 40 08 ネタは面白いが欲求不満だぜ。 今度はすーりすりが成功して惨めなゆっくりを見て見たいものだ -- 2010-12-01 20 23 43 ゴミを放置すんな -- 2010-09-02 19 50 59 北斗の拳の顔面すりおろしネタみたいで面白かった -- 2010-08-03 23 38 34
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※舞台は現代的な感じがしなくもないどこか ※儚月抄のネタバレが若干あります ※あ○きィィィ!さんごべんなさい 「なあ、お前、よっちゃんどう思うよ?」 突拍子のない質問をぶつけてきた野郎は10年来の腐れ縁の悪友だ。 手には大きめのサラダボウルと袋入りの食用赤ゆっくり姉妹(れいむ&まりさ)が握られている。 「おいおい、親友が来てるってのにケチるなよ?ちぇんとかぱちぇ出せよ」 「誰が親友だよ?で、お前はよっちゃんどう思う?」 「いや、よっちゃんじゃわかんねえよ。世直しマンか?ヨミ様か?」 突っ込みながらも悪友の作った2人分のコーヒーを机まで運ぶ。 初めてこの家に来たときから変わることなくその部屋にあり続けるボロい机。 俺が描いた落書きの怪獣は相変わらずの馬鹿っぽい咆哮をあげている。 「あれだよ、依姫様だよ」 「ああ、儚月抄か。俺は好みだよ、よっちゃん。神話じゃあ自分の甥っ子を抱いちゃうし、きっと乱れると凄いぞ」 「お前の好みは昔から知ってる。よって言わんでよろしい」 一足先に座布団の上に座った俺を見下ろしながら、サラダボウルを机の上に置く。 そのまま自分用の座布団を引っ張り出し、腰を下ろすと、スナック菓子のそれと良く似たデザインの袋を開封した。 瞬間・・・ 「ゆぅ・・・もうあしゃにゃの?」 「「ゆっくちおきりゅよ!」」 「「「「ゆっくち!」」」」 「「ゆゆ〜ん!」」 などなど、総勢33匹の赤ちゃんゆっくりれいむ&まりさがおしゃべりを始める。 ゆっくり達の声が袋から溢れ出し、俺と悪友だけの狭っ苦しい部屋は急に賑やかを通り越して喧しくなった。 「○女の宅急便のキキを観ながら言ってたもんな」 「こういうすました奴ほど、堕ちた時にはどこまでも堕ちて行くんだ、ってか」 「・・・絶対妹には近づくなよ?」 「残念、既にゼロ距離射撃ずm・・・ごめんなさい!冗談!冗談です!冗談だからホットコーヒーはやめて!?」 何とかシスコンパワーで修羅と化した奴を落ち着かせ、がさがさと赤ゆっくりをボウルの中に入れる。 袋を揺するたびに赤ゆっくり達が「ゆゆっ!」だの「ゆぴぃ!?」だのと驚き騒ぐのが、いつやっても面白い。 そうして赤ゆっくりを全てボウルに入れ終えたところで、ようやく着席した悪友との会話を再開した。 「で、綿月のよっちゃんがなんだって?」 「いやな・・・俺のおぜう様のカリスマをブレイクしやがってけしからん、と」 「このロリコンめが!そんな調子だからあ○きィィィなんてあだ名を付けられるんだ!」 「俺、ルーミアは別に・・・」 冷静に返す悪友の傍らにはREXが10冊ほど積み上げられていて、その上には東方儚月抄の上巻と中巻が置かれている。 やれやれ・・・とため息を吐き、コーヒースプーン代わりのフォークを手に取ると、俺はそれサラダボウルの中へと誘う。 それを見たボウルの上のほうの赤ゆっくり達は一斉に「ゆゆっ!きょれにゃあに?」と首を傾げた。 「お前なぁ・・・カリスマブレイクも何も、緋想天のぎゃおーとか言ってる時点で既に・・・」 「・・・REXでも2冊あればガンガンと渡り合えるよな?」 余談ではあるが、この男は本当にバイオレンスな野郎で、デンジャラスなことを平然とやらかすところがある。 それゆえ、本当にREXが飛んで来やしないかと内心びくびくして、奴の手元を凝視する俺の手はまだサラダボウルの中。 「ゆーーーっ!きょれにゃあにっちぇいっちぇるでちょ!ゆっきゅちおちえちぇね!ぷきゅうううううう!!」 同時にボウルの中を覗き込む俺と悪友。 手に収まっているフォークをにさっきからずっと関心を示していた一匹の赤まりさが文句を垂れながら膨らんでいた。 流石は食用の赤ゆっくりだ。ゲスい言葉こそ使わないものの、ゆっくりの名に逆らうようにすぐに怒ったり暴れたりする。 その甲高い叫び声に話の腰を折られた気分になった俺は「なら教えてやるよ」と言わんばかりにそいつを突き刺す。 「ゆ゛っ!!」 「「「「「「「ゆっぎゅぢ!?」」」」」」」 不運なことに、その赤まりさはフォークを目で追いかけていた。 まりさ種の帽子のせいであまり広くない視野を補うために一生懸命下にいる姉妹の上を跳ねて、フォークの先端と向かい合うように。 つまり、赤まりさのほうをろくに見向きもしないで刺したにもかかわらず、ものの見事に彼女の目を刺し貫いていたのだ。 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!?」 どことなく噛み付きそうな名前の不人気キャラが主人公の漫画みたいな感じで声にならない叫びをあげる赤まりさ。 一方、その光景を間近で見ていた上のほうの他の赤ゆっくり達は「やめちぇえええ!」だの「ゆっきゅちできにゃいいい!」だのと喚いている。 必死になってボウルの外に出ようとするが、このサラダボウルは結構な大きさがあるので最上段にいる赤ゆっくりさえもそれは叶わない。 「ん〜・・・チクショウ、いつ食っても安いくせにうめぇなあ・・・」 「まったくだ」 俺の感嘆に同意しながら、長い付き合いの悪友は怯えて固まっている赤れいむを指で摘む。 赤れいむは人差し指と親指の間でじたばたと暴れ、うにうにと体を捩って抜け出そうとしているが、当然無駄な努力だ。 30秒ほどその様子を観察していると、自力での脱出を諦めたらしく、大粒の涙をぽろぽろ零しながら命乞いを始めた。 「やめちぇね!やめちぇね!れーみゅゆっくちちゃいよ!」 「おにーしゃんもれーみゅとゆっくちちよーね!」 「ゆっくちー!ゆっくちー!」 そうして更に30秒後、赤れいむは問答無用でお腹の中に収まった。しかも生きたまま。 これは悪友の特技と言っても過言ではなく、直径2,3センチはあるであろう赤ゆっくりをいとも簡単に丸呑み出来る。 話し相手になるこちらとしては口の中から変な声が漏れ出して来るので話しにくいことこの上ないのだが。 「話を戻して、よっちゃゃんによるカリスマブレイクだけどさ・・・」 「ああ、オリキャラが俺TUEEEEEとか死ねばいいのに」 「待て待て。アレは俺TUEEEEEじゃないぞ。いわば妖々夢のメイド長状態だ」 どういうことだよ、と言いたげな表情をしている悪友の顔からいったん視線を外し、食べる赤ゆっくりを選ぶ。 すると、勘のいい赤まりさが身の危険を察知して姉妹のはずの赤れいむを俺のほうに突き飛ばしてきた。 そして「まりちゃはゆっきゅちしゅるよ!れーみゅはきゃわりにたべられちぇね!」などとテンプレなことをのたまっている。 「ふむ・・・」 こういう行動を見たとき、人間が取る行動は一つ。 差し出された、昨日まで仲良くしていたはずの姉妹に裏切られた可愛そうなれいむを避けて、残忍で狡猾なゲスを狙うことだ。 更に俺から距離を取るために下にいる姉妹たちも押しのけて潜って行こうとする赤まりさの尻にフォークを突き立てた。 「ゆぴぇん!?」 「で、どういう事なんだよ、妖々夢のメイド長状態って?」 「要するにあれだ。弾幕ごっこの妙味を分かっていない。だから加減の仕方がなってない。ボムを4つも搭載しちゃう」 永夜抄では実に瀟洒だった。普通のプレイでは物足りない殿方をどれだけ唸らせた事か、と付け加えてから赤まりさの様子を見る。 目線が合うや否や、自分の可愛さや賢さ、いかにゆっくりしているかを必死にアピールして許しを請う。 が、当然全て聞き流し、その上でこう言ってやった。 「仲間を平気で見捨てるようなゲスは嫌いなんだよ」 そして、その言葉を聞くや否や、今度は「れーみゅをいじめにゃいでにぇ!たべりゅんにゃらまりしゃをたべちぇね!」と主張し始める。 もちろん、本人がそう言うのであれば断る理由もない。彼女の言い分に従って、口の中に放り込んでやった。ただし、まだ咀嚼すらしていない。 すると予想通りにまたしても「たべるんなられーみゅを〜」と言い始めたので、口に赤まりさを含んだまま・・・ 「ゲスは死ね」 「ゆびゅ!?」 死の宣告を言い渡し、短いゆん生に幕を閉じてやった。 餡子の、涙の、目玉の、汗の・・・似ているようで少し違う甘味が、舌の上をじわりと広がっていく。 しばしその風味を堪能し、口直しに苦いコーヒーを一口啜った。 「なるほどなぁ・・・咲夜戦の厨攻勢なんかは本当に酷かったもんなぁ・・・」 「ゆぴぇええええええええええ!どうちちぇこんなこちょしゅるにょおおおお!?」 「射撃無効、つかカウンターに加えて、ボム(咲夜の世界)でも回避不能だからな。どこの夢想天生だよ」 「やめちぇね!ゆっきゅちできにゃいよおおお!?」 「スペカ2枚同時使用に加えて、初スペカに対して開幕ボムってやがったし・・・な?」 「ゆっきゅちちちゃいよおおおおおお!!」 流石に姉妹が3匹も食べられたとあっては冷静でいられるはずがない。俺だってこいつらと々立場だったらそうだろう。 しかし、久し振りに悪友と話している時に喚かれるのも不愉快きわまりない。 そんな訳で、俺は一番元気良く泣き喚いている赤まりさにフォークを突き刺し、目の前まで運んでからこう言ってやった。 「よし、これからはうるさくした奴から食べることにしよう」 瞬間、現在フォークを刺された痛みで苦しんでいる赤まりさ以外の、ボウルの中の赤ゆっくり達は静かになった。 赤ゆっくり達の聞き分けの良さに感動を覚えつつ、赤まりさを咀嚼すると、話を再開する。 「そういう訳だから、アレは相手のホームのルールで勝ってるよっちゃんSUGEEEEって描写ではないんだよ」 「つまりあれか。サッカーのルールを全く知らない奴が手を使って大活躍しているのを周囲が苦笑いしながら見守っている状態か」 「うむ。だから、月の都で弾幕ごっこが流行った暁にはよっちゃんは最強厨女として後ろ指を差される事になる」 「そして、昔の自分に対して『どうしてあんな馬鹿なことしたの、イヤン☆』となるわけか。意外と可愛いな、よっちゃん」 それが事実かどうかは神主のみぞ知るといったところだが、都合の良い解釈を得た悪友は少し満足そうだ。 すっ、とフォークを伸ばして手近な赤れいむに突き刺すと、コーヒーの中にフォークごと放り込む。 黒い水面がぶくぶくと泡を立てるその光景は、月の世界の賢者の海を彷彿とさせるものがあった。 「よし、そろそろかな?」 「ゆきゅう・・・にぎゃいいいいい・・・!」 すげぇ、結構な時間コーヒーに浸かっていたのにわりと元気そうだ。 が、元気だからどうなるということもなく、悪友の口の中に収まり、今度はしっかりと噛み潰して胃袋へと輸送された。 「レミリア戦に関しても結構分かっていない行動が目に付いたよな」 「アメノウズメか」 「うむ、あの神様は全裸でナンボだろうに。おっぱい晒せよ」 「いや、今は関係ねえだろ。それに作画女性、それセクハラだぞ?」 「いやいや、モクソンのおっぱいは実に良いものですよ?」 くっくっく、と何故か同じタイミングで笑いながら、同時にフォークをサラダボウルに伸ばす。 俺のフォークには赤れいむが、悪友のフォークには赤まりさが刺さっていた。 会話に熱中していたこともあって、この2匹は恐怖を味わうことなく噛み砕かれて永遠のゆっくりへと旅立っていった。 「あれも言ってみりゃ、曇天でもないのにジェリーフィッシュとロイヤルフレアを立て続けに撃つようなものだからな」 「それ曇天でも無理じゃね?なるほど、そりゃ負けても仕方ないわ」 「それどころか、散々地上のものではまず敵わないと言われていた月人を殴り合いではフルボッコしたんだから面目躍如だ」 「流石おぜう様じゃないか。それでこそ俺の嫁だ」 「俺の嫁とか現実で言うな、きしょい」 分別は付けろよ、と冷めた目で悪友を見つめる。 すると、自分の痛さを理解したらしく、咳払いをしてから儚月抄の話を再開した。 それから、照れ隠しなのだろうか、サラダボウルにフォークを伸ばし、1匹の赤れいむにこんな命令をした。 「フォークを咥えろ。断ったら食べる」 「ゆゆっ!ゆっきゅちきゅわえりゅよ!だきゃらたべにゃいでね!」 そう言って、硬い、しかもコーヒーに突っ込んでいたせいで苦味のあるフォークを涙目になりながら咥えた。 フォークを持ち上げると赤れいむの体は宙に浮き上がり、フォークがある一定の高度を越えた瞬間・・・ 「おしょらをとんでりゅみちゃああああああ〜・・・」 何も考えずにそんな言葉を口にして、かなりの高さからテーブルに叩きつけられた。 もっとも、打撃や衝撃には強い体と、軽い体重のおかげで致命傷を負うような事はなかったが、かなり痛そうだ。 「ゆぴぇええええん!いちゃいいいい!いちゃいよおおおお!」 ゆっくり起き上がったれいむは飛び跳ねることも、這いずることもせずにその場にへたり込んで泣きじゃくってしまった。 が、10秒後に悪友がさっきの命令を再び声に出したところ、自分の失態に気がついたれいむは、口と目を大きく開いた驚愕の表情で硬直した。 更にその3秒後、れいむは生きたまま悪友のお腹の中に収まった。 「それだけじゃないぞ。依姫はガチでやり合ってもそんなに強くないかもしれない」 「マジで?余裕こいてたし、実際強かったじゃん?」 「メイド長に2回後ろを取られている。レミリアに殴り倒されている。同種の格下能力者に苦戦している」 「いや、メイド長は仕方な・・・」 「仕方ないだろ」と言おうとした時、ドアをノックする音が室内に響いた。 悪友が「おー」と気のない返事をすると、ドアが開き、ショートヘアの見目麗しいセーラー服の女子高生が姿を現す。 どうでも良い事かも知れないが、一応説明しておくと悪友の妹である。 「あ、お久し振りです〜。お兄がいつもお世話になってます〜」 「お兄のお世話してやってます〜。ってことで結婚してくれ!」 「あはは、相変わらず〜。っと、赤ゆん貰ってくよ〜」 悪友の肩に手を乗せて頭にお腹をのっけた格好でサラダボウルを覗き込む。 セーラー服のスキマから、小さな可愛らしい膨らみが見えそうで見えないのがもどかしいが、本人は全く気にしていない。 ひょいひょいと11匹の赤ゆっくりを摘み上げて、まくったスカートのすそに放り込む。見たところ、ズボンやスパッツは穿いていなかった。 お嬢さん、君は何でこうも無頓着なんだい?まあ、幼馴染の上に、兄貴みたいなものだから異性として意識されにくいんだろうけどさ。 「「「「「「「「「「「やっちゃあ、こりぇでゆっきゅちできりゅよ!」」」」」」」」」」」 「「「「「いーにゃ!いーにゃ!」」」」」 「「「「「れーみゅもゆっきゅちちちゃいよぉ」」」」」 「「「「「まりしゃも!まりしゃも!」」」」」 スカートのすその上で喜ぶ赤ゆっくり達。しかし、残念無念のご愁傷様。 俺たちよりもその子はずっと美味しく赤ゆっくりを食べる子だよ。まあ、知らぬが仏だ。とやかく言うこともないだろう。 知ったところでどのみち行き先は想像を絶する地獄だろうしな。 「んじゃ〜、ゆっくりしていってね〜」 「ああ〜、ゆっくりしていくよ〜」 そう言って、妹ちゃんはあっさりと悪友の部屋を後にした。 その後に残されたシスコン気味の悪友の鋭い視線から目を逸らしつつ、白々しく話題を戻す。 「そう言うけどな、地上人では絶対敵わないってんならそれこそ『それは月人が1000万年前に通った道だ!』と言いつつ、無効化しても良いじゃないか」 「・・・何という依 海王」 「実際、致命的だぞ。神霊には同じ神霊使いをぶつけて対策を立てましたが、時間停止を無効化出来ませんってのは」 「火雷神もしっかり時間停止で止まってたしな」 「弾幕ごっこでは一応勝ったけど、言ってみれば『1勝のために2回殺された』と言っても過言ではない状況じゃないか」 「・・・何という花山 咲夜」 それに・・・と呟きながら、フォークをボウルの中でさまよわせる。 動ける赤ゆっくりの多くは必死に逃げ惑っているが、さっき妹ちゃんが大量に連れて行ったことで色々状況が変化したらしい。 中には最初の赤まりさと同じように首をかしげてゆらゆらと動くフォークを見つめているものもいた。 「う〜む・・・どいつにしようかな?」 しばらく、フォークを左右に動かして遊んでみることにした。 右へふら〜り。すると、フォークの怖さを知っている赤ゆっくり達は必死になって逃げ回る。 泣き叫びながら必死に飛び跳ね、転んでも転んでも起き上がって逃げ惑う。 「「ゆっきゅちにげりゅよ!」」 「つんつんしゃんはゆっきゅちできにゃいよ!」 「やめちぇね!れーみゅはゆっきゅちちたいよ!」 どうやらさっきの「喋ったら食べる」はほぼ完全に忘れ去られているようだ。 左へふら〜り。逃げる赤ゆっくりがいる一方で、勇敢なのかお馬鹿なのか、きゃっきゃと喜びながらフォークを追いかける連中が3匹。 赤まりさが2匹と赤れいむが1匹。試しに右にフォークを動かしてみても、楽しそうに笑いながらついて来る。 好奇心旺盛なまりさ種はともかく、付和雷同しやすく、気の弱いれいむ種が混ざっているのは少し意外である。 「「きらきらしゃん、まっちぇ〜!」」 「みゃんみゃ〜!れみゅ〜、ちゅりちゅりしちゃっちゃ〜!」 なるほど、少し頭が残念な個体らしい。聞き取りにくい言葉から察するに彼女はフォークを母親だと思っているようだ。 フォークを動かさずに構えていると、赤まりさ2匹は近寄り過ぎずにある程度距離を置いて様子を伺っているが、その赤れいむは無防備に近寄ってきた。 そして、触れ合うことの出来る距離まで近づくと、おもむろに舌でフォークを舐め始めた。 「ぴぇ〜りょぴぇ〜りょ・・・ゆぴゅ!いちゃい!いちゃいよおおおおお!?」 案の定、赤れいむは自らフォークの先端に舌を刺して、その痛みで泣き出してしまった。 面白いので、泣きじゃくっている赤れいむの頬を本当に軽く突いてみる。 すると・・・ 「ゆゆっ!みゃんみゃ〜、ちゅりちゅり!ちゅりちゅり!りぇーみゅ、ちゅりちゅりちゅるよ!」 本当に聞き取りにくい言葉ですりすり宣言をした赤れいむは、体を揺らして、母親の柔らかい頬にぶつかっていった。 言うまでも無いかもしれないが、母親の頬というのはフォークの先端のことである。 「ゆぴぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」 そして大方の予想通りに赤ゆっくりの瑞々しい柔らかいほっぺに無機質なフォークがぶっすり。 様子を見守っていた赤まりさと下の方にいて思うように身動きが取れない中の、上を向いている赤ゆっくりが驚愕の表情でそれを見つめていた。 逃げ惑う赤ゆっくり達に関しては、相変わらずみんなで固まって震えているだけだった。 「なんか刺さっちまったな」 「刺したら食えよ。2度刺し厳禁!」 「お前は新世界の串揚げ屋か?」 偶然といえど刺さってしまったものは食べねばなるまい。この家に古くから伝わる掟に従って、赤れいむを引き上げる。 痛みと、恐怖によって生まれたての赤ゆっくり特有のぷるぷる震える仕草に近い様子を見せる彼女は俺と目が合った瞬間ににぱぁっと微笑んだ。 「おきゃ〜きゃ!れーひゅ!れーひゅひゃほ!ひゃふへてへ!へーひゅほたひゃふへてへ!へ〜ろへ〜ろちちぇ・・・・・・・・・ぴひゃ!?」 何か煩わしかったので、とっとと口の中に放り込みすりつぶしてやった。 う〜ん・・・精神が破綻していたせいだろうか、いまいち狙ったとおりの、あるいは予想していた甘味と違っていて変な感じだ。 口直しに再びコーヒーを啜り、一息ついたところで「えーっと、よっちゃんだっけ?」と話題を戻す。 「レミリアにボッコされたのに関しては『弾幕ごっこだから』は言い訳にならんだろ?」 「まあ、そうだろうな」 「霊夢に関しても、弾幕ごっこだったとは言え大禍津見に苦戦していたのを見る限り、神霊に対処しきる力が本人にあるとは思えない」 「スタンドがいくら強くても、本人にスタンドに対抗する力があるわけじゃない、って感じか?」 「早人くんすげぇよな。神霊の場合、どっちかっつーとペルソナ?まあ、何でも良いや」 そこで一旦会話を止めて、2人同時にサラダボウルにフォークを伸ばした。 赤ゆっくり達は恐怖のあまりに逃げることもままならず、隅っこで固まってがたがたと震えている。 「やめちぇね!」「にゃにみょわりゅいこちょしちぇにゃいよ!」「きょわいよー!」の大合唱が聞こえてくるが、2人とも気にも留めない。 「「ゆぴゃ!?」」 ほぼ同時に、適当な赤ゆっくりを突き刺し、俺は赤まりさを、悪友は赤れいむを口の中に放り込む。 もしゃもしゃと咀嚼していると、突如隣の部屋から・・・・・ 「「「「ゆきゅああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」」」 と、赤ゆっくりの悲鳴、それもこの部屋の連中のそれとは比較にならないほどの大絶叫が聞こえてきた。 隣の部屋は確か妹ちゃんの部屋だ。 「「ふぅ・・・」」 が、俺も悪友もそんなもの気にせず、コーヒーを啜った。 気がつけばコーヒーを飲み干してしまったらしく、白いティーカップの中には僅かなコーヒーだまりがあるばかり。 それに気付いた悪友はすっと立ち上がるとおかわりを用意するために2つのティーカップを持って部屋を出て行った。 「お兄〜!・・・あれ〜?」 「コーヒー淹れに行ったよ」 「なぁんだ〜・・・せっかく凄く甘い赤ゆんの作り方教えてあげようと思ったのに〜」 兄貴のほうと入れ替わるように部屋に入ってきた妹ちゃんは心なしか興奮していた。 ちなみに、セーラー服ではなく、まだ午後4時ごろであるにもかかわらず、ピンクのストライプ模様のパジャマに着替えていた。 彼女は普段、ほんのり日焼けした健康的な肌と、ショートヘア、そしてあまり大きくない胸とボーイッシュな雰囲気をかもし出している。 が、こういう姿を見ているとやっぱり女の子なんだなぁと思ってしまう。 「じゃあ、俺に教えてくれよ?」 「おっけ〜!え〜、まず、赤ゆっくりの頬の少し後ろのほうを噛み千切ります」 「ゆゆっ!おにぇーしゃ、ゆぎぃ!いぢゃい!いぢゃいいいいい!?」 そう言いながら、1匹の赤れいむを摘んで、彼女の小さな頬を前歯で少しだけ噛み千切る。 それから、さらに1匹の赤れいむと2匹の赤まりさを取り出して、同じように頬を噛み千切った。 「ゆびゅ!?」「ゆぐっ!?」「ゆぎょぉ!?」 「同じように両頬の後ろを噛み千切った4匹を用意して、傷口同士をくっつける!」 赤ゆっくりの傷口同士をくっつけると、俺の使っていたフォークを器用に使って赤ゆっくり達の皮と皮を癒着させてゆく。 やがて、4匹の別の個体だった赤ゆっくりはひとつながりの生命体となってしまった。 「するとなんと〜!痛覚が共有されて誰を叩いても皆痛がるのだ!」 「「「「ゆきゅ!?」」」」「「「「いぎぁ!?」」」」「「「「ゆぴぇ!?」」」」 「そして、なんと〜・・・全員いっぺんに叩くと通常の4倍痛がります〜」 「「「「ゆきゅああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」」」 その後、妹ちゃんはゆっくりが一番痛がる底部の中心部分を徹底的にフォークで責め立て、気がつけば4匹とも、餡子も吐かずショックだけで絶命していた。 口が、元の顔の大きさに匹敵しそうなくらい広がり、目も皮が破れるほどに大きく見開かれたその表情が、彼女の責めがどれだけ激しかったのかを如実に現している。 そんな悶死赤ゆを彼女に勧められるままに2匹、赤れいむと赤まりさを1匹ずつ口の中に放り込む。残りの2匹はもちろん妹ちゃんの口の中。 「んぐ・・・なるほど、確かに甘いな」 「でしょでしょ〜!」 「でも、ちょっと俺には甘すぎるかな?」 俺の言葉を聞いた途端、さっきまで満面の笑みを浮かべていた妹ちゃんは目に見えて落ち込んでしまう。 う〜ん、年頃の女の子は感情のムラが激しくて困る。 とはいえ、流石にこのままフォローしないわけにも行くまい。 「でも、美味しかったよ」 「本当に!?」 「ホントホント」 こんなしょっぱいフォローでも十分効果があったようだ。 さっきまで落ち込んでいたのが、一転して破顔一笑。夏のお日様のよりも眩しい笑顔を輝かせている。 可愛いな、チクショウ! 「キサマァ!妹とちゅっちゅしてねーだろうなああああああ!!?」 「してねーよ!!!」 が、シスコン兄貴の帰還によって、その笑顔は隣の部屋へと沈んでいった。 またしても鋭い視線を俺に迎える悪友。憮然とした表情のまま、黙ってコーヒーを手渡してきた。 その視線から目を逸らしつつ、さっきまで何を話していたのか必死に思い出す。 「・・・そうだ。神霊無しだと霊夢にも苦戦するって話だったっけ?」 「ああ、さっきの話の続きか」 「それに、よっちゃんが弾幕戦に応じたのも見逃せないな」 と言いながら、淹れたてののコーヒーのおかげで随分熱くなったフォークを掴み、適当な赤ゆっくりに突き刺す。 「ゆびゅ!?いぢゃ・・・い!?あぢゅ、あぢゅいいいいいいいいいいいい!」 「痛いのか熱いのか、どっちかにしろ」 「ゆぎゅううう・・・どっぢみょだよぉ〜・・・!」 「じゃあ、痛いのと熱いのどっちが嫌か言いなさい。どっちもって言ったらゆっくり出来なくするぞ?」 「ゆぴぃ!?ゆゆゆゆゆゆ・・・い、いぢゃいのがいやだよ・・・」 俺に脅されるような格好でどっちが嫌かを答えた赤れいむの目には大粒の涙が浮かんでいる。 そして、素直に答えた彼女にはご褒美として、と言う訳ではないが熱々のコーヒーの中に放り込んでやった。 黒い水面に浮かび、「あぢゅいいいいい!」と叫びながら、揉み上げを必死に動かしてばちゃばちゃと波紋を立てる赤れいむ。 その動きは徐々に鈍くなって行き、動かなくなったところで口の中に誘った。 「で、弾幕戦が何だって?」 悪友は口をむしゃむしゃと動かしながら続きを待っている。 その咀嚼の仕方を見る限り、口には2匹の赤ゆっくりが収まっているものと思われる。 「祗園様で完全に動きを封じた状態なのに魔理沙の提案に乗るのは、レミリア以外やる気皆無だったのを差し引いてもおかしいと思わないか?」 「まあ、そうかも知れんな・・・」 「そうかも知れんな、じゃないんだよ。将棋で詰んだ時に『別のゲームしよう!今のノーカンな!』って言われて応じるか?」 「いや、全力でぶん殴る」 喋りながら適当な赤れいむを指で掴み、手のひらの上に乗せる。 恐怖のあまりに身動き一つ取れないでいる赤れいむだったが、俺がしばらく何もしないでいると、すぐにゆっくりし始めた。 が、そこですかさずフォークによるひと突きをお見舞いして、涙目にしてやる。 「れいむ、喋らずにとっても可愛い仕草をしたら食べないでいてやるよ」 「ゆ、ゆっきゅちぃ〜・・・」 「つまり、あの勝負に応じるだけのメリットがよっちゃんにもあったってことだ」 「本人が明言しているのは無駄な血が流れない、くらいか?」 俺が全く見ていないにも関わらず、赤れいむは必死になって手のひらの上で這いずり、跳ね回って自分の可愛らしさをアピールしている。 しかし、見ていないのでそれが本当に可愛いかどうかなど分かるはずもない。よって無条件に失格とみなした。 「やめちぇね!れーみゅはきゃわいいよ!だきゃらやめちぇね!ゆえーーーーん!」 「うん、そうだな。れいむは可愛いな」 「ゆゆっ!じゃあ、れーみゅ・・・」 「でも頂きます。む〜しゃむ〜しゃ・・・」 れいむを食べて、視線を戻すと、悪友は手の上で赤ゆっくりを細かく分割していた。 ボウルの中にはその分割されたゆっくりがいくつか放り込まれていて、姉妹の餌になっている。 耐え難い恐怖の中で、ようやく得ることの出来た幸福に、いつの間にか残り3匹になってしまった赤ゆっくり達は喚起の涙を零す。 「月人は穢れを嫌うからな。平安時代には血も穢れとみなされていたらしいし。それ以外にもメイド長に後ろを取られたのとか、霊夢が神霊を使えるのも圧力になったろうな」 「あ〜・・・確かあの時点では時間操作を瞬間移動だと勘違いしていたからな。瞬間移動だと祗園様が通じないかもしれないわけか」 「あと、確証はないけど霊夢も同種の能力を持ってる以上、無効化する技を持っている可能性もある。少なくとも兎連中の全滅は覚悟せにゃならんわな」 「ってことは、魔理沙の『お互い大きな被害を被る』もあながちハッタリじゃないのか」 俺と悪友は同時に赤ゆっくり、どちらも赤れいむを指で摘んでボウルから取り出すと、さっき分割したゆっくりを手のひらの上で食べさせてやる。 声を揃えて、散々姉妹を酷い目に合わせてきた相手の手の中で「む〜ちゃむ〜ちゃ、ちあわちぇ〜!」と満面の笑みを浮かべた。 その後、2匹をボウルの中に戻し、同時に先ほど選ばれなかった最後の1匹である赤まりさを目の前で、ばらばらに分割する。 もちろん、俺たちが食べるものではない。 「お前ら、その赤まりさをちゃんと食べるんだぞ。食べないとお前らを食べるからな・・・あと、『力の強い妖怪の多い』なんて解説を入れてるのもある種の恫喝だよな」 「ああ、岩戸投げで推定1トンオーバーの岩を片手でぶん投げる萃香辺りに本気で殴られたら流石にやばそうだもんな。あと、何を差し置いてもゆゆ様」 「うむ、刀なんか持ってるから妖夢と勘違いして2つの意味で食われかねん」 「ところで、れいむ達はちゃんと食べ終えたか?」 「食う」からの連想で、れいむ達のことを思い出した悪友は、ボウルを覗き込んだ。 中では2匹の赤れいむが目にいっぱいの涙を溜めながら、姉妹の赤まりさだったものをむ〜しゃむ〜しゃしていた。 既に全体の8割以上を食べ終えており、後1分とかからずに食べ終えることだろう。 「なあ、れいむ?」 「「ゆ゛っ!?にゃ、にゃあに?でいうだちぢゃんとだべぢゃよ・・・!?」」 「さっきのあまあまさんと味が似てただろ?」 「「ゆぅ・・・・・・?ゆ゛ゆ゛っ!?」」 しばらく意味が理解できずに硬直していたれいむ達だったが、ようやく全てを理解した瞬間、顔が真っ青になった。 そして、「ゆ゛げー!ゆべぇ!」と必死に唸って食べたものを吐き出そうとする。 ついさっきまで赤まりさを食べていたのに。「しあわせ〜!」してしまったことに罪悪感があるのだろうか? 「「まあ、何でも良いか」」 「「ゆぴぃ!?」」 俺と悪友はハモりつつ、全く同じタイミングで手にしたフォークを赤れいむに伸ばし、口の中に放り込んだ。 しばらく噛まずに、口の中で命乞いするのを聞き、それから美味しくいただいた。 「で、結局何の話だったっけ?」 「よっちゃんは無双しているようで実は部下思いで、彼女達のために必死に頑張っている可愛らしい娘さんだって話だ。いちいち余裕こいた言動をするのも部下を安心させるため」 喋り終えた俺は、コーヒーを一口すすって、口の中に残る甘味を消し去った。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ よっちゃん可愛いよ、よっちゃん 今回のコンセプトは食品としての赤ゆっくりです 今までペットとしてのゆっくりは結構書いてきたんですが、こっちに対するアプローチが少なかったので 本当はもっと淡々と食べられて死んでゆく感じにしたかったんですが・・・ byゆっくりボールマン
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学校安全調査 を行います。 全職員・全校・全地域で、 いじめ防止プログラムに取り組みます。 泥臭くも、真・善・美を求めます。
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1229 雨宿り/コメントログ」 ざまぁゆっくり! -- 2010-07-07 06 53 32 雨はゴミを掃除してくれるからいいね -- 2010-07-11 23 43 50 まりさかわいそう。 -- 2010-07-14 00 15 20 早い者勝ちだよw -- 2010-07-20 03 38 27 最近ゆっくりいじめから流れてきたのが多いなと思う。 -- 2010-07-31 02 57 12 まりさは少しもかわいそうじゃないよ。 -- 2010-08-31 11 32 11 下から三番目の人 なぜ愛護派の人間が虐待SSを読んで感想を書いてるのか -- 2010-11-10 13 12 01 制裁モノ目当ての人なんだろう。 -- 2010-12-17 16 39 04 とっとと別の場所に雨宿りにいけよw -- 2011-01-13 09 21 50 上から三番目 別に愛護派でなくとも、単に罪の無いゆっくりが理由なくくたばるSSでは楽しめない人もいるんだよ。 このお兄さんに虐待への愛がないから、まりさに同情しちまう。 -- 2011-07-14 20 29 27 に~やに~やどーがっ -- 2011-10-11 01 06 38 ここは虐待ssだ。ゆっくりは死もしくはそれに近い苦痛を与えられう場所だ。 ゆっくりがそうなるのは当然で、その中でごく一部が生き残る可能性があるだけだろう。 故に可愛そうなのは当然であり、何故かわいそうなのかと言わないと、一つの感想と取られずにいわれのない批判を受ける結果となる。 まぁ、俺はもっと苦しむ描写があってもいいとは思ったがな。 -- 2011-10-20 03 27 52 ↓そうだね、雨水に濡れ徐々に体をふやかしつつ溶けゆく恐怖に怯え 泣き喚きながらゆっくりする描写が欲しかったね。 -- 2011-10-21 03 13 51
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衝動的に書いて見た あんまり虐待してない、というかいじめてない 「おにいさん、ゆっくりたべてね!」 帰ったら部屋の中に妙に不敵な微笑みを浮かべたゆっくりれいむがいた。 部屋はゆっくりがいるにも関わらず荒らされた様子もなく、ただ座布団の真ん中に鎮座している。 「さぁおたべなさい!」 業を煮やしたのかれいむの顔に縦一筋の裂け目が生まれ、そのまま二つに裂けた。 ゆっくりとした生活を送ったゆっくりは同じ生活を過ごした人間やゆっくりにその身を食べさせるというが、 生憎俺はこのゆっくりれいむどころかゆっくりと生活したことさえない。 余りの異常事態に脳がフリーズしている俺を尻目に、異常は更に進行した。 「たべないと……」 なんとれいむの切り口の餡子が盛り上がり…… 「ふえちゃうぞ!」 「な、何ぃぃぃぃぃっ!?」 そのまま再生してしまったのである! ゆっくりオレンジジュースや水に溶いた小麦粉で簡単に再生するというが、これは明らかに異常だ。 というかこんなあっさり再生するもん喰いたくない。 慌てて部屋の奥に向かい、あるものを取ってくる。 「「さぁ、おたべなさい!!」」 取ってきたら更に割れていた。既に断面が盛り上がり始めている。 その半分しかない4つの口に取ってきた物……この夏使わずに取っておいたロケット花火を数本まとめて突っ込む。 そして点火して家の外に全力投球。 「「たべnPANG!!」」 火薬に引火した瞬間、4つの饅頭は全て破裂した。 流石にあれだけ粉みじんになっては再生できないだ……ろ……? 『ふえちゃうぞ!!』 「う、うぉぉぉぉぉぉっ!?」 周辺に撒き散らされた欠片全てから餡子が盛り上がり、それが全て先ほどと同じ大きさのれいむとなって、こちらへ向かって跳ねて来た。 家の前は既に大量のれいむで埋め尽くされた狂気のゆっくりプレイスと化しつつある。 どうすれば良い、このままではこの家どころか世界までこのゆっくりによって埋め尽くされてしまうだろう。 この世界に生きるものとして命に代えてもそれだけは防がなくてはならない……!! だが、どうすれば良い。粉みじんになっても再生する相手をどうやって止めれば……。 『再生しちゃうなら焼いちゃえば良いじゃない』 ゲェーッ、貴方は俺の脳内ギリシア在住の大英雄ヘラクレスさん!! だが確かに的を射ているかもしれない。ヘラクレスさんヒドラをそうやって退治しているし。 何よりまごまごしていては手遅れになる。既に俺の足元に到達した連中は裂け始めているしなッ! そういうわけで俺はさっきロケット花火に点火したライターで今度はれいむたちのリボンに点火したっ! 『ゆっくりたべてね! もえちゃうと……ゆっくりたべれないよ!!』 効いてるッ!効いてるぞッ! 盛り上がりつつあった餡子がそこで止まったッ! 慌てて自分の服にまえ引火しそうな勢いで燃えていくれいむたちの中から離脱する。 家の周りで燃えているれいむは流石に危ないので水をはった桶に火箸で掴んで入れていく。 『ゆっくりたべてね! とけちゃうと……ゆっくりたべれないよ!!』 水に突っ込んだれいむも程なくして水に溶けていく。 周囲に充満する小麦粉と餡子が焼ける良い匂いが充満する中、俺の戦いは終わりを告げたのだ……。 「って、それでめでたしめでたしってわけにはいかんわな……」 周辺には大量の焼き饅頭と真っ黒で粘性のある液体が入った水桶。 延焼こそしなかったが片付けには相当骨が折れるだろうことを考えると素直に喜べない。 いや、マジでどうしよコレ。 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 とか思ってたら周囲に大量のゆっくりが。 今度はれいむだけじゃなくてまりさやらありすやら多種多様だ。 一瞬びびったが子ゆっくりも赤ゆっくりもいる辺り、さっきとは違うようで安心した。 「何だお前ら?」 「ゆゆっ、おじさんこんなにおいしそうなおまんじゅうひとりじめするなんてずるいんだぜ! まりささまたちにさっさとよこすんだぜ!」 どうやら焼かれていたれいむの匂いに釣られてやってきたようだ……普段なら潰すんだけど今日はそんな気力もない。 「あー、はいはい。饅頭はそこで有るので全部だからお前ら食って良いよ。喰い残しはダメな」 「へっへっへ、ききわけのいいのはいいことだぜ!みんな、ぜんぶたべるんだぜ!」 『ゆっくりたべるよ!』 そう言うか言わないかってところでゆっくりたちは焼きれいむに群がってそれを貪り始めた。 「はふはふうっめめっちゃうっめ!」「やっべこれやっべ!」「むーしゃむーしゃ、しあわせー!!」 同族喰いってゆっくりにとっては禁忌のはずなんだが食べて大丈夫なんだろうか。 確かに飾りも髪も燃えてつるっぱげの饅頭になってはいるんだが……そう思いながら家に入ろうとした瞬間、 ふと辺りが静寂に包まれていることに気づいた。 あんだけ喧しく喰っていたゆっくりたちが……静か? 俺が慌てて振り返った瞬間、ゆっくりたちもこちらを向いた。 その顔には縦に一筋の裂け目が…… ~俺たちの戦いはこれからだ!!~ このSSに感想を付ける
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ゆっくりしっかく はしがき はじめに断っておかねばならない。 以下の文章は、私がまりさの話を聞いて、書いたものである。 私がまりさと出会ったのは、丁度今から一年位前のことで、 そのときまりさは、既にだいぶ老いたゆっくりだった。 体中に傷を負い、帽子は破れ、片目は潰れていた。 制裁か、事故か、虐待か、もっと他の理由か、それはわからない。 腹を空かしていたようなので、私は気まぐれの善意でまりさを自宅に連れ帰り、 いくらか餌をやったら、以下のようなことを私に語ったのである。 だから、文章の大筋はまりさの経験、ゆん生に即しているが、私の空想も多分に含まれている。 本文の中で“自分”としているのは、このまりさのことであるが、 その“自分”の言葉、行動、感想などは、一部を除いてほとんどが、私の想像である。 まりさとはすぐに別れたので、今この瞬間、まりさがどこで何をしているか、私は知らない。 おそらく死んだものと思われるが、断言は出来ない。 とにかく、私は私がまりさから聞いたことの一部始終を、誰かに聞いてほしかった。 だからこの文章を書いたのである。 まりさは賢いゆっくりで、沢山のことを記憶し、私に語ってくれた。 その体験はゆっくりとしては稀有なものと思われるので、 読者諸鬼意山の興味をそそるような事があれば、これ幸いである。 ゆっくりしっかく 恥の多いゆん涯を送ってきました。 自分はまだ子ゆっくりの頃に、いろんなことがあって故郷の森を飛び出しました。 そして、なんの当ても無く、ただただ歩きました。 歩いた先に、人間さんの住む街が見えましたが、自分はそこで疲れ果て、倒れました。 そんな自分を、助けてくれたのは、街に住む、ありすでした。野良のありすです。 自分にはありすの餡(正確には、餡ではないのですが)が流れています。 だから、ありすはそれを感じて、哀れに思ったのかもしれません。 ありすは自分を、分厚い、茶色い紙さんで出来た、ありすのおうちへと案内してくれました。 ありすは元々、人間さんに飼われていたらしいのですが、 その人間さんが他の土地へ移るのと同時に、捨てられて、それで野良になったのだそうです。 ありすは自分に、食べ物をくれました。お魚さんの頭と、お野菜さんのヘタでした。 少し酸っぱい臭いがしました。味は覚えていません。 ありすに「もうすこし、ここにいてもいい?」と聞くと、 「ええ、いいわ」とだけ、答えました。 それ以来、しばらく私はありすのおうちに居座ることになりました。 丁度、雪さんがちらつく季節で、私もありすも凍えるようでした。 ありすと私は頬を寄せ合い、寒さを凌ぎあいました。 ありすに、「かぞくは、いないの?」ときくと、「いないわ」と答えました。 「おちびちゃんが、ほしくないの?」ときくと、「ほしいわ」と答えました。 そして自分の方に、余計に擦り寄ってきました。 自分は森に、妻のれいむを遺してきていました。 れいむに嫌な所はありませんでしたが、その母親が、嫌でした。 れいむの母親は、長の従姉妹かはとこ(記憶が曖昧で、よく覚えていません)で、 常にそのことを鼻にかけているところがありました。 何かあれば、「れいむはおさのゆんせきなんだよ」と、自分を脅し、 自分の狩って来た獲物をゆすり取る始末でした。 さらにひどいのは、自分に対して、良からぬ事を求めてきたことでした。 自分は拒みました。拒めば相手も一旦は退きましたが、 すぐにまた、同じことを要求して来ました。 とうとう自分は、逃げました。なんの罪もない妻を置いて、群れを捨てました。 そしてただなんとなく、この街に来て、すぐに、あのありすに会ったのでした。 ありすとの間には、沢山のおちびちゃんが生まれました。 たしか、雪さんの溶けた頃でした。自分にそっくりなまりさが、一匹生まれました。 なぜか、自分はそのおちびちゃんを可愛いと思いませんでした。他のおちびちゃん達も、同じです。 ただの饅頭にしか、見えませんでした。 ありすが喜んでいたので、自分もそういう振りをしましたが、内心では全くの無感動でした。 おちびちゃん達が生まれても、自分はしばらく、ありすと一緒にいました。 しかし、食べ物は溢れていても、常に危険が付きまとうのが、この“街”というところでした。 ゆっくりは、人間さんたちから“いきもの”と認められていませんでした。 自分達は、“ナマモノ”と呼ばれていました。 ナマモノというのは、お魚さんや、牛さんや、豚さんの死んだものと同じ呼び方です。 つまりその程度の扱いしか受けませんでした。あるいは、それ以下の扱いでした。 何もしていないのに、すすんで自分達ゆっくりを殺そうという人間さんはあまりいませんでした。 でも、ゆっくりが人間さんの捨てたものを漁ったり、人間さんの物を盗ったりすると、 人間さん達は、全く容赦なく、ゆっくりを殺しました。 実際に何度か、ゆっくりの死体を見ました。 自分は生来臆病なので、そういった危険を冒す事はしませんでした。 “こーえん”と呼ばれる、小さな森のようなところで、 苦い苦い草さんや、小さな小さな虫さんを採っては、食べていました。 たまに木の実さんが取れると、それはごちそうでした。 しかし、寒い季節に採れる食べ物は微々たるもので、 自分とありすの二人きりのときはそれでもなんとかなりましたが、 おちびちゃん達が生まれると、とても足りなくなりました。 結局、ある日の朝早く、私はありすと、そのおちびちゃん達を置いて、そのおうちを出ました。 そして二度と戻りませんでした。また、逃げたのでした。 その日の夕方、自分は再び、街の中をぶらぶらと徘徊していました。 道端に、れいむの家族がいました。 れいむと、三匹のおちびちゃんたちでした。 れいむ達は、道端に紙さんを敷き、その上に座って、大きな声でお歌を歌っていました。 「ゆっくりのひ~♪すっきりのひ~♪まったりのひ~♪」 なんだか哀れでした。人間さん達はれいむ達に見向きもしません。 それでもれいむ達は歌うのをやめません。 「れーみゅたちのおうたでゆっくりちていっちぇにぇ!」 「おうちゃをきかしぇちぇあぎぇりゅかりゃ、あまあまをちょーらいにぇ!」 ちびれいむたちも、必死で懇願していました。 「ゆっくりしていってね」 「ゆゆ、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!」」」 自分は居ても立ってもいられなくなって、れいむ達に声をかけました。 「ゆゆ、みたことのないまりさだね!」 「おうたをうたっていて、ほんとうにあまあまがもらえるの?」 「ゆゆ、れいむはおうたがじょうずだからね!」 れいむの脇には、なにか硬いものでできた、細長い入れ物が置いてありました。 中を覗いてみると、飴さんが二つに、キャラメルさんが二つ、 それからグミさんとチョコレートさんのカケラが一つずつ入っていました。 なるほど、このれいむ達が、どうにか暮らしてゆけるくらいの食べ物は、手に入るようでした。 「まりさも、れいむのゆっくりしたおうたをきいてゆっくりできたから、これをあげるね」 自分はその硬い入れ物の中に、採って来た木の実さんを一つ、入れました。 「ゆゆ、ありがとう!まりさはやさしい“びゆっくり”だね!」 「「「ありがちょーにぇ!」」」 その木の実さんは、本当はありすにあげるはずのものでした。 でも、ありすの処へは戻れません。だから、れいむにあげたのでした。 このれいむも、番相手とはぐれたようだったので、せめてもの罪滅ぼしに、と思ったのです。 その日の夜は、一人で(以前見つけたのとは別の)こーえんで過ごしました。 一人で眠るのは久しぶりでした。いろいろなことを考えました。 風はまだ冷たくて、どうにかこうにか落ち葉さんを集めて、震えながら眠りました。 次の朝目が覚めて、いつものとおり食べ物を探していると、自分と同じゆっくりまりさに出会いました。 「ゆゆ、みたことのないまりさだぜ!」 まりさも、あのれいむと同じことを言いました。 どうやら野良のゆっくりというのは、飼いゆっくりは言うに及ばず、 野生のゆっくりよりも、見たことのないゆっくりへの警戒心が強いようでした。 きっと、ゆっくりにとってなんの掟も無い街の中で、 うっかりしていると食べ物やおうちを盗られてしまうからでしょう。 しかし自分にそんな考えが無いと知ると、 まりさは随分と打ち解けて、いろいろな事を話してくれました。 家族やおちびちゃんは居ないのかと聞くと、 「まりさはいっぴきおおかみなのぜ!そんなものはすててきたのぜ!」と答えました。 どうやらこのまりさも自分と同じく、番相手やおちびちゃん達を捨ててきたようでした。 まりさは変なしゃべり方をするゆっくりでした。 言葉のお尻に、「のぜ!」とか「だぜ!」とか、そんなものを付けてしゃべりました。 まりさは自分のことを「きっすいののらなのぜ!」とも言っていました。 つまり、まりさの両親も、野良ゆっくりだということなのでしょうが、 どうやらそれは、まりさにとって誇りのようでした。 なぜだかは、よくわかりませんでした。 わたしはこの変なまりさと、一緒に行動することにしました。 一緒に狩りをして、一緒にむしゃむしゃして、一緒に眠りました。 自分とまりさとは同じ種類のゆっくりなので、 お互いゆん愛感情を抱くことはありませんでした。 自分はなんとなく、このまりさと一緒に居るに過ぎないのでした。 それからしばらくしたある日、 まりさが自分に「いいところへつれてってやるんだぜ!」と言って来ました。 随分暖かくなってきた頃で、食べ物も充分に確保できていたので、 自分はまりさの言う「いいところ」へ付いて行くことにしました。 まりさに付いて行ったその先には、一軒の、例の分厚くて茶色い紙さんでできたおうちがありました。 中にはありすが居るのが、遠くからでもわかりました。 勿論、あの、自分が“ひどいこと”をした、あのありすではありませんでした。 「たまにはいきぬきもひつようなんだぜ!」 まりさはそう言いましたが、自分には何がなんだかわかりませんでした。 「あのありすは“ゆんばいふ”なのぜ!」 “ゆん売婦”―――はじめて聞く言葉でした。 まりさの言うゆん売婦とは、食べ物と引き換えに、 すっきりをさせるゆっくりのことでした。 自分はまりさに薦められるままに、そのありすのおうちへ入っていきました。 「いらっしゃい……あら、びゆっくりさんだわ。ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね」 近くで見るとそのありすは、思っていたよりも綺麗なゆっくりでした。 少し年をとっているように見えましたが、 自分なんかよりよっぽど、美ゆっくりといえました。 自分は随分緊張していましたが、ありすの艶々しさに欲求を抑えられなくなり、 結局、すっきりをしました。 「こんなことをして、おちびちゃんができたらどうするの?」 少し落ち着いた自分は、ありすに尋ねました。 「ありすはもともとにんげんさんのところにいたの。そのときに“きょせい”されたのよ」 「“きょせい”?」 「そう。ぺにぺにをきって、まむまむにあついぼうをいれて、おちびちゃんができないようにするのよ」 ありすは悲しい顔をしました。 「だからこうしてすてられても、おちびちゃんのできないありすと いっしょになってくれるゆっくりはいないのよ」 生きるために、と言ったらなんだか美化しすぎているようですが、 このありすがゆん売婦になったことは、 ある意味当然の流れだったのかもしれないと思いました。 きっとありすはこの先もずっと、 そのゆん生が終わるまで、たった独りで生きてゆくのだと、その時は思いました。 帰り際に、ありすは自分を呼び止めて、こう忠告しました。 「あのまりさは“げす”なんだから、あんまりなかよくしないほうがいいわ」 “ゲス”―――ゆっくりにとって最低の称号でした。 ゆっくりがナマモノなら、ゲスはそのナマモノですらない、本当のクズでした。 一緒に居るまりさのことを、こんな風に言われたのは少し心外でしたが、 どういうわけか、自分はそのゲスという言葉を忘れられませんでした。 その後しばらくして、まりさと自分は些細なことでケンカをして、別々に行動することになりました。 まりさと自分は、それまで溜め込んだ食べ物を半分ずつに分けることにしました。 そのとき、まりさの帽子が随分膨らんでいるのに気が付きました。 でも、自分は見て見ぬ振りをしました。 まりさがそんなことをしたので、自分の取り分は僅かになりました。 でも、自分はそれに文句を言いませんでした。 自分はその食べ物を、ゆん売婦のありすの処へ持っていって、あるだけ使ってしまうことにしました。 「こんなにつかってしまって、だいじょうぶなの?」 「しんぱいないんだぜ……ありすはえんりょなくうけとるといいんだぜ」 「でも……もうすぐあめさんのきせつになるわ。とっておかないとたいへんよ」 自分はあのまりさに影響されたのか、知らないうちに変なしゃべり方をするようになっていました。 ありすは自分に少し好意を持っているようで、自分のことをしきりに心配していました。 (自分は元々、ゆっくりありすに好意をもたれることの多いゆっくりでした) 自分はありすのその好意につけ込んで、あるお願いをしました。 「じゃあ、しばらくありすといっしょにいさせてほしいのぜ」 ありすは頬を赤らめました。 すっきりは沢山したのに、なんだか不思議なことにも思えました。 自分はありすが嫌いではありませんでした。嘘ではありません。 しかし、自分のこの求婚とも取れる発言は、 純粋な好意から来たものでなかったことも、否定できない事実でした。 ありすはゆん売婦をして稼いだ沢山の食べ物を、 他のゆっくりと交換して、保存のきく食べ物に代えていました。 自分はよく、ありすから“さーびす”として、“こと”が終わった後、その食べ物を一緒に食べていました。 ありすのおうちに蓄えてある、あの食べ物があれば、かなり長い間ゆっくりできる。 「そういうかんがえはなかった」と言うことは、自分には出来ませんでした。 自分は、ゆん売婦のありすと番になりました。 ありすはゆん売婦を辞め、二人でゆっくりとした毎日を送りました。 しばらくすると雨さんの季節になりましたが、 おうちの屋根には雨さんを弾く、青いものが被せてあったので、平気でした。 自分とありすはときどき、雨さんの音を聞きながら、ただ快楽のためだけに、すっきりをしました。 すっきりをするとのどが渇きます。自分が雨さんを汲んで飲もうとすると、ありすがそれを止めました。 「こっちにもっと、とかいはなおみずさんがあるわ」 ありすは床に開いた穴から、細長くて透明で、それでいて硬い入れ物を取り出しました。 その細長いものの中には、お水さんが入っていました。 「おみずさんなのぜ?」 「“おさけさん”よ」 “お酒さん”―――それが自分のゆん生を大きく変えました。 変なにおいのするそのお水さんは、口に含むとなんとも奇妙な味がしましたが、 ほのかに甘く、しかもだんだんと、ゆっくりとした気分になってくるのでした。 自分は次第に、そのお酒さんの虜になってゆきました。 雨さんの季節が終わる頃には、自分はもうお酒さん無しでは生きてゆけないようになっていました。 はじめのうちは、毎晩、そのうちに、昼夜問わず、来る日も来る日も、お酒さんをあおりました。 そしてだんだん寒さを感じるようになった頃に、沢山あったはずのお酒さんは、底を尽きました。 「ありす、おさけさんがほしいんだぜ……」 「きのうのんだぶんで、もうさいごよ」 絶望的な宣告でした。 「だったら、ここにあるあまあまさんと、こうかんしてこればいいんだぜ……」 「むりよ。おさけさんは“おかねさん”がないと、こうかんしてもらえないわ」 自分はお酒さんが貴重なものだと理解していませんでした。 野菜さんや、あまあまさんや、虫さんといったものは、他のゆっくり達と交換することで手に入りました。 しかし、お酒さんは、人間さんと交換しなければ手に入らないものだったのです。 人間さんは、自分達ゆっくりと、物々交換をしてくれません。 唯一、交換してくれる場合というのは、それはお金さんを持って行った場合だけでした。 「じゃあどうして、ありすはおさけさんをもっていたのぜ……?」 「むかし、かいゆっくりのおきゃくさんがいたのよ。そのおきゃくさんがくれたの」 自分はこの時、半ばやけになっていて、後先を考える余裕など無く、ただお酒さんを欲していました。 そして遂に、ありすに対して絶対に言ってはならないことを言ってしまいました。 「だったら、もういちど“ゆんばいふ”になればいいんだぜ……」 そこから先はハッキリとは覚えていません。 あまりに悲惨な光景だったので、思い出したくないのかもしれません。 ただ、ありすの凄まじい泣き声と、見たことも無い悲しい顔だけは、覚えています。 自分とありすは、別れることになりました。 出て行くのは、またしても自分でした。 ありすは自分(まりさ)のことを、ゆん生で唯一、 自分(ありす)を愛してくれるゆっくりだと、思い込んでいたようでした。 しかし、それはありすにとって勘違いというか、不運というか、気の毒なこととしか、言い様がありませんでした。 自分は、ゆっくりがゆっくりを好きになる―――そういう感情が一切、理解できないゆっくりなのでした。 自分のおちびちゃんすら、愛することのできないゆっくりなのでした。 もし、愛しているゆっくりが居るとすれば、それはたった一匹、他でもない、自分自身でした。 みんなは、そういうゆっくりを、“ゲス”と呼びます。 自分は気が付かないうちに、ゲスになっていました。 いえ、あのれいむを置いて森を出たときから、既にゲスだったのかもしれません。 口調も、行動も、そして長い野良生活でボロボロになった外見も、まさに醜いゲスそのものでした。 完璧な、ゲスでした。他のどのゆっくりよりも、ゲスでした。 ゆっくり、失格。 もはや、自分は、完全に、ゆっくりで無くなりました。 (おしまい) ☆☆☆☆☆ 七割方書いてから、別の作者さんが「ゆっくり失格」というSSを既に発表してらっしゃることに気づきました。 「ひらがなだからゆるしてね!ひどいことしないでね!」 (過去作) ゆっくりいじめ系2909 偏愛 ゆっくりいじめ系2999 おはなありす 選択肢 投票 しあわせー! (16) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (0) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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レイパーズブレイド前篇 24KB 一応『ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ』のおまけか?おまけのおまけのお・・・ もう、おまけうんぬんじゃなくて、別の短編扱いでもいいのではなかろうか。 とりあえず出来上がった所までを、前編としてあげます。 一応主役はあのドゲスの愛娘、元祖・都会派ありすです。 作者は最近寝不足です。 本作には、某所で有名な、でいぶ氏とエクスカレイパー氏に出演していただきました。 生みの親のゲス先生、クラッカー先生両氏にあっては、ご容赦ください。 ※基本ルール(ここは絶対読んでね。) 今作における『すっきり』は、他のゆっくりの精子餡が、体内の餡子に接触することで妊娠する、という設定です。 基本的にはぺにぺにをまむまむ(ぺにぺにと同一器官・興奮すると体外に盛り上ってぺにぺにとなる)に挿入し、 他者の体内に精子餡を注ぎ込む、という生殖方法がとられます。 ただし、体内に精子餡が注ぎ込まれれば妊娠する以上、あにゃるや口内へ注入しても妊娠可能であり、 場合によっては眼窩内や傷口からの挿入でも行為は可能となります。猟奇的すぎるのでやりませんが。 また、交尾の際に全身から分泌される粘液にも精子餡は含まれており、なおかつ皮膚への浸透性を持つため、 その量や濃度によっては、外皮からの浸透による妊娠も可能です。 この関係上、顔射でも妊娠することはあります。 以上のルールを把握していただいた上で、本文をご覧ください。 ここは、虹浦町内にほぼ等間隔で設けられた雑草生い茂る空き地の中。 空き地の入口には『餡生物個体数調整地』と書かれた看板が掛かっていることから、 人間によって意図的に、ゆっくりのために設けられたスペースであることが分かる。 この敷地には、決まっていくつかの施設、設備が設けられている。 敷地の隅には毎日同じ時刻に水が湧く不思議な池。 庭の草花の多くは、人間でも食用可能な野草や花、果物類の木もある。 そして、敷地中央には一辺10m以上の小屋があり、その周囲には8~10件の物置サイズのプレハブ小屋がある。 どの小屋も、床下の高さを70cm以上と高く取っているのは、ゆっくりがおうちとして使用できるようにだ。 人間によって意図的に作られたゆっくりプレイス。 とはいえ、当のゆっくり達にとってはどうでもいいことではあった。 初めのうち、町のゆっくり達はこのゆっくりプレイスを、自分だけの物にしようと争ったが、 ゆっくり出来ない争いに飽きた、何匹かの大物ゆっくり達の話し合いにより、 みんなで仲良く使おうという結論に落ち着いたのであった。 現在各プレハブの床下には、ゆっくりによるゆっくりのための公共施設が設置されている。 経験豊かな保育ゆっくりが、親を失った孤児ゆっくりを育てる「ほいくえん」。 希少種ゆっくりえーりんと、救急すぃーの常置された「びょういん」。 善良な町ゆっくりを守り、ゲスと田舎者を駆逐するべく組織されたみょん自警団の集まる「みょん警本部」。 ペドぱちゅりー、ペドけーね先生らが、次世代を担う『えりーと(笑)』ゆっくりを育成する「がっこう」。 その他、多種の施設が造られており、町ゆっくりの社会生活の中心となっている。 まあ、びょういんとがっこうは、ゆっくりの性質上イマイチ機能していないようだが。 そんな人工ゆっくりプレイスの、ある晴れた春の日の夜明け前。 敷地中央の小屋の床下は、数え切れないほどのゆっくりが所狭しと押し寄せていた。 普段であれば、この広い床下は、雨の日などの際の避難所として開放されているため、 晴れの日にはほとんどゆっくりがいることはない。 集まったゆっくり達の目的は、四半期に一度のゆっくりアスリートの祭典、その観戦のためであった。 日頃はその日の食事にすら事欠く町ゆっくり達も、この日ばかりは周囲の興奮にあてられて、ぺにぺにを限界までたぎらせている。 彼女たちの視線は、その小屋下スペースのさらに中央に集まった、200匹ほどのゆっくり達に注がれていた。 各々が、この日のために力と技と精神を極限まで鍛え上げてきた戦士。この祭典の主役達である。 そして完全に日が昇った頃、中央の一段高い檀上に、主催者である3匹のゆっくりが姿を現した。 主催者の3匹、えーき、さなえ、ありすである。 ちなみに3匹の髪飾りには金バッジが光る。飼いゆっくりの証だ。 特にえーきは、第一回から現在まで、十数年にわたって主催者であり続ける、重鎮中の重鎮である。 十数年の歴史を誇る、町ゆっくり最大の祭典が今、開幕する。 祭典の名は、【レイパーズブレイド】。 真の都会派レイパー、その頂点を決める、レイパーの祭典である。 すっきりーした者が勝利し、にんっしんした者が敗れる。 最期まで相手をすっきりーさせ続けた一匹には、 最高の都会派の称号【カリスマレイパー】が与えられ、その名声は町中のゆっくりに轟く。 今回で49回目を迎えるこの祭典は、無数のドラマを残してきた。 今日は一体、どのようなドラマが起きるのであろうか・・・ 『レイパーズブレイド』 D.O 会場中央に集まるすっきりアスリート達、その周囲の空気は一様に重い緊張に包まれている。 いずれも、ウォームアップをしながら、開幕を今か今かと待っている。 「むふぉっ!むほむほっ!むほほほほほっっ!」 あるありすは、ぺにぺにをジャブのように、高速でまむまむから出し入れしている。 「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっ!」 別のちぇんは、体を細かく振動させて、自身を絶頂寸前に高めようとしている。 「むほぉー!むほぉー!」 こちらのれいむは、雄叫びをあげて、自分自身を奮い立たせているようだ。 そんな、緊張の隠せないゆっくり達の中にあって、ある一匹のありすが、自然体でゆっくりしていた。 ありすは、喧騒に包まれた会場で目をつぶり、自分の生涯をゆっくりと思いだしている。 偉大なドスのおちびちゃんとして、何不自由なく育てられた幼少期。 しかし、一人の凶悪な人間さんの手で、ドスは捕えられ、以降再び出会うことはなかった。 その後は姉まりさとともに、乳母のような立場にいるぱちゅりーに育てられたが、 母を目の前で連れ去られながら、何もできなかったぱちゅりーとの溝は消しがたく、 結局姉まりさが突然消息を消して間もなく、ありすもぱちゅりーの元を去った。 町で一匹、苦しみながら生き続けるなかで、ありすは多くを学んだ。 母ドスの失敗の理由も、乳母ぱちゅりーの正しさも。 ありすも10年近くを生きた今となっては、もはやぱちゅりーに謝りようもないが、 せめて、町のゆっくり達に真のゆっくりを与え続けることによって、その償いとしようと思いつづけてきた。 ありすはその想いを実現しうる最短の道として、この祭典に参加することを決めた。 幼いころに母にも語った、全てのゆっくりに都会派の愛を与えるという誓いを胸に。 「おかあさん・・・ありすは、今日本物の都会派になるわ。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 壇上の3匹の中央に立っていたありすが、一歩前に踏み出す。 協議会長であるありすの開会のあいさつが、祭典の始まりを告げるのであった。 「皆さん!静かにして下さいねっ! これから、第33回から第44回まで、12回連続でカリスマレイパーの座を守った、無敗の都会派ありすさん、 ありす・ザ・エクスカレイパーさんから、始まりのあいさつをいただきますよっ!」 さなえの第一声により、「ゆゆっ、33って、たくさんなの?」「むはいさんってゆっくりしてる?」 などと、かえって会場は騒がしくなってきたが、檀上のありすが小一時間ほどゆっくり眠って待っているうち、 会場は静けさを取り戻した。 ぱっちりしたぐりぐりおめめと、そそり立つぺにぺに・性剣エクスカレイパーがチャームポイント。 彼女こそ、3年間もの間無敗のまま頂点を去った生ける伝説、エクスカレイパーありす。 全ての都会派レイパーの目標である。 「ゆふーん。もうすっきりでき・・・ふぁっ!ああ、みんな静かになったのね。ごめんなさい。 集まってくれたみんな!すっきりーはぺにぺにとまむまむのぶつかりあいよ! すっきりずむにのっとって、優しく、ときに力強く、悔いの残らないようにすっきりしてね!」 「「「「すっきりしていってね!!!」」」」 さあ、祭典の始まりである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 予選の準備が進む中、3匹のゆっくり、えーき、さなえ、エクスカレイパーにより、自己紹介が行われていた。 「ゆっゆーん!みんながんばるのであるぞー。れいぱーずぶれいどを始めるのであるぞー。審判はこのえーきであるぞー。」 「皆さん、はじめまして。今回初めて実況をさせていただきます、さなえです。ゆっくりして行って下さいねっ!」 「解説は、ありすがさせてもらうわ!さなえもよろしくお願いね。」 「常識にとらわれない実況をがんばりますっ!」 ここでそろそろ、レイパーズブレイドの内容について説明しておこう。 ルールは基本的に、にんっしんしたら負け。 ただしうっかり相手を殺したら負けなので、理性を失ったレイパーでは失格となりやすい。 予選は8つのブロックに分かれてのバトルロイヤル形式。 各ブロックの勝者8匹が本戦のトーナメントに出場となる。 一騎討ちのトーナメントで決勝まで進み、そこで勝利すると、晴れてカリスマレイパーとなるわけだ。 ちなみに、参加賞はえーきが家から持ってきた、ゆ虐印の餡子飴1個。 本戦出場で30個入りが1袋。以降1勝ごとに1袋商品として与えられる。 さすがに参加賞目当てのゆっくりはあまりいないが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「それでは、皆さん準備ができたみたいですね!」 「予選開始であるぞー。」 「「「「「むほぉぉぉぉおおおおおおお!!!!」」」」」 えーきの合図とともに、各ブロックでは餡子で餡子を洗う死闘が、幕を切って落とされた。 「むほぉぉぉおおお!とかいはなれいむねぇぇぇええええ!!」 「ずっぎりじまじょぉぉぉおおおお!!」 「まちのれいむもとってもゆっくりしてるわねぇぇぇええええ!!」 「むほぉっ!むほぉぉおおおお!!」 早くも理性を失った数匹のレイパーありすが、一匹のれいむに同時に襲いかかった。 200匹以上もいれば、当然こんな連中も紛れ込む。 このありすどもは、レイパーズブレイドを噂で聞いて、すっきりし放題、しかもすっきりするほどもてはやされ、 さらに賞品としてあまあままでもらえるお祭りと理解してやってきた、気色悪い森のクソ田舎者レイパーどもであった。 この生ゴミどもは森で、数々の群れを潰してきた経験から、返り討ちにあうなどという可能性はまったく考えていない。 襲いかかれば口では嫌がりながらも、ろくに逃げだすこともせずにまむまむを差し出す。 今回も同じようなものであろうと・・・ 「ゆふぅ、ざこはじゃまだよぉ!!」 べしべしべしべしんっ!ぐじゃぁぁぁ!! 「「「「ゆびゃぁぁぁああああぁぁ!」」」」 襲いかかられたれいむが体を一振りした瞬間、4匹の気持ち悪いクソレイパーどもは、 ぺにぺにをれいむの体に残して、チリのように吹き飛ばされた。 「ゆびぃぃぃいいい!ありすの、ありすのぺにぺにがぁぁぁあ!」 「なにじでるのぉ!?ごのいながものぉぉおおおお!」 「ゆふーん。こんなたんしょうぺにぺにでここにくるなんて、とんだいなかものだよぉ。 めんどくさいけど、でいぶがとくべつにすっきりーしてあげるよぉ。こうえいにおもってねぇ。」 体に突き刺さっていた、クソありすどものぺにぺにをむーしゃむーしゃと食べながら、でいぶと名乗ったれいむは気色悪い生ゴミに近づいていく。 「ゆ・・・ゆびゃぁぁぁあ!あにゃるはやべでぇぇええ!ゆぴっ!」 「ゆーん。すっきりー。」 「「「「ゆぁぁぁぁあああ!おちびちゃんなんてほじぐながっだのにぃぃぃぃいいい!」」」」 「・・・すごいですね・・・。常識にとらわれない戦い方です。」 「そうね。彼女は優勝候補の一人、【でいぶ】よ。 普通のゆっくりの3倍近い巨体と、理不尽なまでのパワーは、私でも抑えきれないわね。」 「・・・まさにでいぶ無双ですね。」 「でいぶはでいぶじゃないっでいっでるでじょぉぉおお!でいぶはでいぶなんだよぉぉおおお!」 「・・・でいぶさん。がんばってくださいねっ!」 「でいぶじゃだいぃぃぃいいいい!ゆぎぎぎぃぃぃぃ!!!」 そんなでいぶの雄姿を見て、戦意を喪失した者もいれば、逆にさらに戦意を燃やすものもいる。 「あっはっは!たいしたもんだねぇ!でも、ちからならこのゆーぎもまけちゃいないよ!!」 こう語っているのは、こちらも優勝候補に挙げられている、すっきりゆーぎ。 語っている間も、その角とぺにぺにに、ゆっくりを一匹づつぶら下げている。 「あちらも常識にとらわれない、すごいすっきりーですね。」 「ええ、彼女はすっきりゆーぎ。森では【双ぺにのゆーぎ】と呼ばれているわ。 これまで、森の奥で大人しくしていたんだけど、ついに町にやってきたのね。 それにしても、角にぶら下がっているのは、前回は本戦に勝ち上がった、ありす100%よ。 あのチラリズムすっきりの使い手が、まさかこんなところで・・・。今回のレイパーズブレイドは、相当荒れるわ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 森でぬくぬくと生きるゆっくり達を標的にしてきた生ゴミクソレイパーどもでは、所詮本物の都会派達の敵ではなかった。 田舎者の気持ち悪いレイパーどもの間引きは早々に終わり、力量不足の町ゆっくり達も脱落する中、 各ブロックでは2~3匹、最初の10分の1程度が勝ち残っており、大会の真の姿が顔を出そうとしていた。 勝ち残るゆっくりは主に二種類に分かれる。 一つは、すっきりのテクニックを極限まで練り上げ、相手のガードをくぐり抜けてすっきりーする、正統派。 もう一つは、身体能力にものを言わせて、とりあえず相手を半殺しにした後でゆっくりとすっきりーする、邪道。 当然前者の方が人気はあるが、後者の方が楽に強くなれるため、比率は大体半々である。 ともあれ、殺すと負けなので、勝ち残るには相応のバランスも求められるため、上位を狙うものは相応の何かを持っていることが多い。 「では、エクスカレイパーさん。常識にとらわれて、そろそろ今回の優勝候補をおさらいしてみましょう。」 「そうね。さっきのでいぶも優勝候補だけど、同じいもむしさんブロックには、あの常連レイパー姉妹の一人、 【べジありす】がいるわ。彼女達も今回は相当な意気込みだから、侮れないわね。」 「すっきりングアーツのべジ・テン・ヤムのありす3姉妹ですか。確かに最近ではかなりいいところまで行っていると聞きます。 かませレイパー3姉妹の名前は返上してもらいたいものですね。」 「「「かませっておがじいでじょぉぉおおお!?」」」 「前回優勝のグレイパーすっきり術の使い手、ありすン・グレイパーは当然優勝候補ね。」 「ゆぁぁぁぁあああ!はなれなぃぃぃ!まりさにからみつかないでぇぇぇぇ!」 「すーりすーり、すっきりー!」 「ゆぁぁぁぁ、かわいいおちびちゃんがでぎじゃっだよぉぉぉ!」 「さすが寝技のスペシャリストね。あの柔らかい体全体を使ったフェイスロックは、一度捕まったら絶対に抜け出せないわ。」 「どうなってるんでしょうね。常識にとらわれない巻きつき方です。」 「それに、会場の隣の『ほいくえん』でもまりさお姉さんとして愛されている、彼女も今日は出ているわ。」 「ゆふーん、どこからでもかかってきてね。」 「むほぉぉぉおおお!さそってるのねぇぇぇえええ!」 保育まりさは、仰向けになり、あんよ、というかまむまむとあにゃるを対戦相手のありすに向けて寝転んでいる。 ゆっくりが通常この体勢を取るのは、うんうんをする時か、胎生出産をする時くらいである。 まむまむ丸出しである以上、すっきりを誘っているようにしか見えないであろう。 「むほおおおおおお!!いくわよぉぉぉおおおお!!!」 ずっぷりっ!・・・ぐしゃ。 「ゆぎゃぁぁぁあああ!ありすのぺにぺにがぁぁぁああああ!」 「ゆふーん。まりさのしまりのいいまむまむを使うには、ぺにぺにが弱すぎたみたいだね。」 「ある時は、『ほいくえん』のまりさお姉さん。 またある時は、『びょういん』のえーりんの助手まりさ。 でも、その真の姿は、田舎者レイパーのぺにぺにを食らいつくす、最強のまむまむを持つまりさ。 【ギロぺにのまりさ】なのよ!」 「・・・ごくり。」 「・・・あの技で、彼女は『ほいくえん』を襲ったレイパー達から、何度もおちびちゃん達を守ってきたのよ。」 「伊達におちびちゃん達を任されてないんですね。まさに都会派です!」 「ゆふーん。田舎者のありす達を泣かせて遊んでたのが、こんなに役に立つとは思わなかったよ。あまあまはいただきだね。」 「それに今回は、森から長旅をしてわざわざ出てきた珍しい顔ぶれも多いわね。当然みんな実力派よ!」 「さきほどの、すっきりゆーぎさん以外にも?」 「そうよ。たとえば、たんぽぽさんブロックのめーりん・・・」 「じゃおじゃおじゃおおおおお!!」 「ゆぁぁぁぁ!はやすぎて、ぜんぜんおいつけないぃぃいいい!」 「すっきりじゃおーん!」 「ゆぎゃぁぁぁ!めーりんのかわいいおちびちゃんがでぎじゃっだぁぁぁ!」 「彼女は、森のレイパーの性地、すっき林寺からやってきた、すっき林寺ちん法の使い手、すっきりめーりんよ。」 「すごい動きでしたね。遠くから見てても、ほとんどぺにぺにが見えなかったです。」 「あとは、必殺の暗闇すっきりの使い手、すっきりるーみあね。 ああ、ちょうどちょうちょさんブロックで、レイパー3姉妹のテンありすと一騎討ちになっているわ。」 「ゆぁぁぁ、まっくらでなにもみえないぃぃぃ!」 「・・・真っ暗で、さなえたちも何も見えません。でもあの声は、テンありすさんの声ですね。」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー。」 「ゆぎぃぃいいいい!!ありすをたべないでぇぇぇえええ!」 「・・・あ、食べてます。」 「・・・食べてるわね。」 「こらー。ゆっくり殺しは反則負けであるぞー。」 「そーなのかー。」 「もっど・・・すっぎり、じだがっ・・・ぎゃぼ・・・」 「さようなら、テンさん。ちょうちょさんブロックでは、こっそり隠れていた、らんさんが本戦進出ですね。」 「・・・まあ、こんなこともあるわね。」 「ちぇぇぇぇえええん!らんはやったよぉぉぉおおお!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「もう、各ブロックとも試合は終わりね。あとは、いもむしさんブロックの3人から、最後の1人が決まるわ。」 「でいぶさんと、べジありすさん、あとは、・・・ありすさんですか?」 「うん、やっぱり残っていたわね。あのありすは、私も目をつけていたのよ。」 「お知り合いですか?」 「うふふ。あのありすは、かつて人間さんと町を奪いあい、 あと一歩のところで夢破れた伝説のドス、その実の娘なのよ。 しかも、ドスが町から消えた後に彼女を育てたのは、 第14回大会から9回連続で優勝したあの、【まいっちんぐ!ぱちゅり先生】なのよ! 都会派の愛を極めるために旅立ったと聞いていたけど、町に帰ってきていたのね。」 「・・・実力はどうなんですか?」 「・・・わからないわ。でも、彼女から立ちのぼる『ぼっ気』には、底知れない力を感じるわ。 何かをやってくれるかもしれない、そんな期待をしてしまうわね。」 予選も終盤、ついに3匹に絞られたいもむしさんブロックであったが、本戦に進めるのはただ一匹。 我らが都会派ありすは、この激戦を勝ち抜いて、無事本戦に進めるのであろうか? そして、勝ち上がったとしても、本戦で待ち受けるのは、ゆっくりの限界を超えた、異次元の技を操るレイパー達。 果たして都会派ありすは栄冠を勝ち取ることができるのか?そして、その先に待ち受けるものは? ていうか疲れたんでとりあえずここで一旦切ります。 ここまではホント前置きなんで、ここから先はマジやばいですよ。 ちなみに今回出演のらんは、『お姉さんとまりさのはじめてのおつかい』 に出ていた赤らんのその後です。 一応捨てられたとかではないんですが、こんな珍奇な祭りに出てるあたり、完全に道を踏み外した感じですね。 なんてこった。 あと、ギロぺにのまりささんは、『町の赤ゆの生きる道』に出演の保育まりささんです。 基本ゲスですが、やることやってるし要領がいいので、町ゆっくり達には好かれていたりします。 要領いい奴嫌いなんで、絶対負けさせてやる。 他にも、過去作品に登場したゆっくり達がちょくちょく出てきます。 たぶん。 ちなみに、前編を天下一武道会編とすると、後編はフリーザ編程度となる予定。今回はキャラ紹介程度だし。 ※おまけ1:そのころ会場の真上、小屋の中では(前篇) 「いやぁ。相変わらずゆっくりのやることは面白いね。」 「また、朝も早くから元気ですね。湯宇川教授。」 「しょうがないさ。気付かれないように観察をしている以上、スケジュールはゆっくり次第なんだから。」 コーヒーを飲みつつ、目をこする触手助手。 「それにしても、よくもまあこんな施設、町中に造りましたね。しかも結構年季入ってるし。」 「まあ、10年近く前のゆっくり大発生よりも前に、観察のためにポケットマネーで建てた施設だからね。 これは言ってたかな。私はもともと、町で人間と共存できるゆっくりを育てることを研究テーマとしていたことを。」 「その結果が床下の、珍奇なお祭りをするゆっくり達ですか?」 「そんな大会に、観客どころか選手として参加できることがそもそも成功の証明だよ。」 「?」 「考えても見るんだ。森のゆっくりで、町中で年単位で生き続けられるゆっくりなどまずいない。 なのに、下のゆっくり達は、生き延びる。それどころか、およそ生存に必要なさそうな技術を必死で磨く余裕まである。 これは相当に異常なことなんだよ。」 「言われてみれば確かに。」 「その上、人間に迷惑をかけることが危険であると学び、数千匹単位の高度な社会を形成している。 レイパーとやらの概念も、森とはまるで別物なのだよ。まったく大したものだ。」 「なんか、久しぶりに湯宇川教授がすごい人に見えてきました。」 「・・・まあ、ホントは春に森からやってくる下等なゆっくり達を、自主的に退治してくれるようになってくれれば最良だったんだがね。」 「春ごもりとか、変な習慣ができちゃいましたしね。」 「まあ、思い通りにならないから面白いんだ。これぞ生命。そんな感じはしないかね。」 ※おまけ2:過去のカリスマレイパー達 第1回 ありす・ザ・なめくじレイパー 当時参加者は飼いゆっくり限定。彼女は近所の虐待お兄さんのコレクションだったありす。故ゆ。 第2回 ありす・イン・コンポスト 地元の名士、天霧議員の飼いゆっくり。故ゆ。 第3回~第7回 レイパーみょん・ゆ村ぺにぺに斎 第3回から、野良まで含めた大会となる。神速居合すっきりは、レイパーありすを寄せ付けなかった。 ちなみに、「ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ」ではドゲスと3対1の死闘を繰り広げた。 また、「雨さんはゆっくりしてるね」では活躍が割愛された、群れの長の側近みょんでもある。故ゆ。 第8回~第11回 レイパーまりさ・すっきり忍者ぺに影 すっきりを芸術の域に高めたといわれる伝説のレイパー。 第8回大会の、ゆ村ぺにぺに斎との死闘は、現在まで語り継がれる名勝負である。 ちなみに、「ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ」ではドゲスと3対1の死闘を繰り広げた。 また、「雨さんはゆっくりしてるね」では活躍が割愛された、群れの長まりさでもある。故ゆ。 第12回 愛の伝道師・すっきりてんこ 久しぶりの飼いゆっくり優勝者。後に隣町の小学校で、公務ゆっくり第一号として勤務。 ゆっくりにあるまじき猛烈な色気は、本番行為無しで、人間から犬猫、ゆっくりに至るまで、全ての動物を絡めとった。 優宇河お姉さんいわく、あれこそまさに妖怪、とのこと。現在は倉塚校長を手玉に取って快適に生活している。 第13回 ありす・ザ・フォーティエイト 48のすっきり技を駆使する脅威のレイパー。 ゆナニーのしすぎでぺにぺにがもげてしまい、惜しまれつつも引退。 第14回~第22回 まいっちんぐぱちゅり先生 森出身のゆっくりで、初めての優勝者。 ミニスカートからチラリとのぞくまむまむに、対戦相手はみなすっきりしてしまうという、脅威の「チラリズムすっきり」を開発。 以降相手に触れずにすっきりーする、遠隔すっきりが隆盛する。 「ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ」の語り部であり、「ゆっくりのみるゆめ」では老ぱちゅりーとして登場。何やってんだか。 第23回~第25回 アイシングすっきり・すっきりちるの これまでのちるの同様、相手を凍らして、身動きできなくするだけかと思いきや、 冷たい自分の体で、対戦相手の未体験な快楽を味あわせ、新しい世界への扉を開かせるという、脅威のテクニックを操った変態。 彼女が活躍した年は、冬場にぺにぺにを雪に突き刺して凍死するゆっくりが数千匹も現れたため、人間の間でも伝説の存在。 第26回~第31回 想起すっきり・すっきりさとり 心を読むことで、相手のもっとも望むすっきりを自在にこなす、ある意味最強のレイパー。 一年以上頂点に君臨し続けたが、第31回大会で、胴付きゆっくりに成長して登場したため、 観察者がマジ引きする痴態を披露することとなる。色気もすっきりてんこに次ぐと言われる危険なゆっくり。 社会的にヤバいということで、湯宇川教授が捕獲。 現在は公務ゆっくりとして、慰安担当をこなしており、 富豪や政府要人達が家一軒買える金額を払って順番待ちをしている。 第32回 れいむ・ザ・トゥエルブ れいむのはずだが、なぜか人間さんの胴体が生えている不思議なゆっくり。 たまにゆっくりショップの店員をやっていたりする。 両腕を巧みに操るすーりすーりの前には、対抗できるゆっくりは一匹もいなかった。 湯宇川教授の逆鱗に触れ、ハイヒールでぺにぺにを踏みつぶされるという悲劇の最期を遂げた。 第33回~第44回 ありす・ザ・エクスカレイパー 言わずと知れた、最強のレイパー。 彼女の性剣エクスカレイパーの真の力は、後々明らかになる。 第45回~第46回 フリありす すっきりングアーツを最強の地位に昇華させた伝説のレイパー。 今回の大会に出場した、かませレイパー3姉妹の母でもある。 3段階の変身により、能力が格段にアップするという特殊能力を持っていたが、 最後の変身で、頭髪が全部抜け落ちてしまい、ショックで死亡。故ゆ。 第47回~第48回 ありすン・グレイパー のーびのーびすると、普段の5倍以上にまで体長を伸ばすことができる、脅威の軟体の持ち主。 そこから繰り出される、必殺のフェイスロックは、対戦相手の身動きを完全に封じる。 今回の大会にも出場、無事本戦に通過している。 会議中にメモってた内容をつらつらと書いてみただけなんだが、我ながら酷い内容。 後編にも変態ゆっくり達は出てくるけど、さすがに歴代優勝者クラスはそうそういないって。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 翌年 本作品 D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る なんかもう酷いね! -- 2016-02-24 01 39 27 ぼっ気とかもうね、笑いどころばっかりだよ -- 2012-12-19 15 14 08 面白いな、ゆっくりは -- 2012-08-26 11 50 47 楽しー!! -- 2010-07-08 00 39 12
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<邪気眼コピペ改変> 523 最低人類0号 sage New! 2011/08/07(日) 12 51 51.32 ID 3L16m0Kj0 中学の頃カッコいいと思って 友達もいないのに全力スレ行って、突然オフ会の募集して 「っぐわ!・・・くそ!・・・また動きだしやがった・・・」とか言いながら息を荒げて 「歯車がまた起動したみたいだな・・・」なんて言ってた スレ住人に「また来てるの?」と聞かれると 「っふ・・・・魔法(自分で作った設定で俺の持ってる謎の能力)を使えぬ物にはわからんだろう・・・」 と言いながら自己紹介板に消えていく 夏期講習中、静まり返った教室の中で「うっ・・・こんな時にまで・・・今度は狩猟笛だ」 と言って教室飛び出した時のこと思い返すと死にたくなる 自己紹介板で質問してて集中の効果を回答者に 「カレーの話はもういいです!他に質問もないし早く答えてください!」と聞いたときも 住人は俺がどういう馬鹿だか知ってたらしくその質問は「なにがですか?」で終了 毎日こんな感じだった でもやっぱりそんな痛いキャラだと住人に 「ギルカ見せろよ!ギルカ!」とか言われても 「・・・ほら・・・トリップ教えた参加者がいるでしょ!」とか言って自演して wikiに晒されたりしてた、そういう時は何時も関西人憑依させて 「あんたらりおちゃんいじめたらあかんで!」って一瞬蜜柑が駆けつけたふりして 「イケメンいますか?またメールします」と言ってスレを思いっきり私物化した そうやって誤魔化して日付とIDが変わるのを待った 全力と自己紹介だけならともかく、武器スレでまで絡まれると悪夢だった 名前 コメント